ついに、「エコカー補助金」が打ち切られた。
約43億円(8月30日)、約42億円(同31日)、約38億円(9月1日)、約31億円(同2日)、約62億円(同3日)。そして8月下旬以降の申請急増でデータ反映が遅れた分が約130億円(同3日)。このように「エコカー補助金」申請受理金額は高い水準で推移してきた。
その翌週、約116億円(9月6日)、約92億円(同7日)と断末魔のような急激な増加を見せ、この時点で予算残金は約10億円となった。翌日の9月8日分は約74億円となり、予算残高を超えた。「エコカー補助金」の規定により、同日申請分は申請者への公平を期すためにすべて不交付(すなわち無効)となった。
今年8月中旬頃から、日本の各メディアは上記のような「エコカー補助金のカウントダウン」を派手に報じてきた。結果として、新車の駆け込み需要をあおった。
この「エコカー補助金」、正式名称を「平成21年度 環境対応車普及促進対策費補助金」という。2009年度補正予算で導入され、実施は2009年6月19日(申請対象は2009年4月10日~2010年3月31日)。しかし自動車業界から経済産業省に対する強い要望などを受けて、半年延長された(経産省では、補助金の原資となる5837億円の予算が底をつくのは9月末頃と想定していた)。
だが、2010年6月頃になると、自動車業界内では「9月末より前に予算が底をつきそうだ」という観測が広がった。そのため、テレビCMなどでは「エコカー補助金の適用期間内でも、政府予算が無くなり次第終了」と、新車購入予定者に対する予防線が張られた。
8月に入ると、全国各地の自動車販売現場では「9月末終了が早まることは、ほぼ確実」という認識のもと、自動車メーカー本社は長期休暇中も、ディーラー社員は夏休み返上で最後の追い込みに入った。そうしたなか、ディーラー関係者、さらには新車購入予定者は、「一般社団法人 次世代自動車振興センター」のウエブサイトを日々気にするようになった(同サイトの「環境対応車」分野、さらに進んで「補助金申請状況」をクリックして欲しい。すると、エコカー補助金は9月8日をもって申請受付を終了したこと、9月8日に受理した申請は全て不交付となることが明記されている)。