ゴルフの上達には、(1)スウィングの本質やメカニズムを正しく理解する、(2)自分自身のフォームの特徴や癖を知る。それらがとても大切で、球をたくさん打てばうまくなるというものではありません。そこで今回は、スウィングの生命線である「持ち軌道」について解説しましょう。

【第59回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson59「ゴルファーにはそれぞれ持ち軌道が存在する」スウィングを後方から見たとき、右の肩口よりも下からクラブが下りてくる人はインサイド・アウト派に分類される

 ゴルファーにはそれぞれ持ち軌道というものがあります。スウィング軌道がストレート(いわゆるインサイド・ストレート・イン軌道)が理想形ですが、プロアマ問わず、大半のゴルファーは、インサイド・アウト軌道かアウトサイド・イン軌道になっています。プロとアマではその軌道の度合い(強さ)が違うだけなのです。これは持って生まれた癖のようなもので、逆の軌道に変えるのはかなり困難な作業といえます。

 その持ち軌道と、インパクトでのフェースの向きによって球筋が決まります。軌道がインサイド・アウトの場合、フェースの向きがスクエアなら「プッシュ」(目標ラインよりも右方向に球が飛び出す)、クローズなら「プッシュフック」、オープンなら「プッシュスライス」となります。

 アマチュアに多い、アウトサイド・イン軌道の場合は、スクエアなら「プル」(目標ラインよりも左方向に球が飛び出す)、クローズなら「プルフック」、オープンなら「プルスライス」。つまり、軌道によってボールの打ち出す方向が、フェースの向きによってボールの回転(曲がり方)が決まるわけです。

【第59回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson59「ゴルファーにはそれぞれ持ち軌道が存在する」初~中級者の多くは、右の肩口よりも上からクラブが下りるため、軌道がアウトサイド・インになっている

 そこでまずは、自分の持ち軌道がどのタイプなのかを認識してください。目安としては、切り返しからダウンスウィングにかけて、クラブ(シャフト)が右の肩口よりも下から下りてくればインサイド・アウト派。肩口よりも上から下りてくればアウトサイド・イン派です。これはビデオで撮ったり、第三者にチェックしてもらうなどして判断しましょう。そして、その持ち軌道の度合いを弱めるようにスウィングを修正していくと、球の打ち出しがストレート(まっすぐ)に近づき、方向性がよくなっていくのです。

(取材・文/小山俊正)