厳重なセキュリティに守られた「心臓部」へ
オープンスペースを出ると、個室型のオフィススペースが並んでいる。ここには、小規模なスタートアップ、大企業の出先機関、大学の研究室の分室など、さまざまなチームが集まっているそうだ。林さん率いるGROOVE Xのオフィスは最初6人部屋から始まり、今では20人以上が働ける大部屋に移った。
しかし、ロボットを動かすスペースを考えると、今の部屋でも手狭になりつつあり、さらに大きな部屋への引越を目論んでいるそうだ。このように、チームの規模によって、適切なスペースが用意されているのも、DMM.makeAKIBAの魅力と言えそうだ。
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こうして12階を一通り案内された後、10階に移動。DMM.makeAKIBAの心臓部とも言える「工場施設」があるフロアである。入居しているスタートアップの「企業秘密」を守るために、入口は厳重なセキュリティが施されている。
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中に入って、はじめに目に入ってくるのは、「Painting」と書かれた部屋。塗装ブースや乾燥炉などがあり、本格的な調色、塗装がおこなえるスペースだ。部屋に入ってみると、有機溶剤の匂いがする。
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「山手線の駅から徒歩3分以内でこんなに本格的な塗装ができる場所は、ここくらいじゃないでしょうか(笑)」(林さん)
その向かいには、シルクスクリーンの製版・印刷ができる部屋と、「Casting」と書かれた部屋が。ここには、シリコンゴムを使った「型」で、樹脂で複製を作成できる設備がある。主に、製品の外装のプロトタイピングのために使われているというが、これは予算の少ないスタートアップには“大助かり”の施設だろう。
「DMM.make AKIBAは、ハードウェアの中でもIoT機器と言われる、小型のモノをつくることを想定して、いろいろな機材を揃えています。製品の外装をいくつか作りたいと考えた時、試しにやってみたくても、金型を作ると1個百万円以上かかってしまう。でもシリコン型だと、大量生産するほどの耐久性はない代わりに安価に作ることができるんです」(岡島さん)
他にも、ウェアラブルデバイスを作る時などに使えるミシンやUVプリンターがある「Sewing」の部屋、プリント基盤への部品実装設備を備えた「PCBA」の部屋など、イメージしたものを形にするための設備が多数そろっている。
続いて、大型の工作機械がそろう「Works」の部屋へ向かった。ここには、削り出しで形を作る5軸CNC(コンピュータ数値制御)マシニングセンターや3Dプリントサービス、レーザーカッター、ボール盤、フライス盤、卓上旋盤機など、各種工作機械が備え付けられている。これらの大型設備を格安で使えるのは、モノづくりスタートアップにとっては垂涎ものだろう。
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