ANA客室乗務員12年。500万人のお客様から学んだ「気がきく人」の1秒の習慣。その業界でダントツの成果を上げている人に共通していたのは、ほんの「1秒」という時間の中で判断を下し、非常に「気がきく習慣」をいつも実行しています!

「も」と「は」のたった1文字の違いが、
大きなクレームに!


「みなさま、本日は、ご搭乗いただき、ありがとうございます。この飛行機は○○○15便、福岡行きです」

 これは、ある航空会社の機内アナウンスの一例ですが、じつは、このアナウンスに対し、お客様からクレームが入ったことがあったと、友人CA(客室乗務員)から聞きました。

 どこが問題なのか、わかりますか?なぜお客様は気を悪くされたのでしょうか?

 お客様からいただいたのは、「『本日は』という表現は、おかしい」というご指摘です。

「自分は何度も何度も搭乗しているのだから、『本日は』ではなく、『本日も』が正しいのではないか」と、このお客様は考えました。

 自分が軽んじられていると思われたのでしょう。

「も」と「は」のたった1文字の違いが、クレームにつながったのです

 その後、CAのマニュアルに変更が加えられ、
「本日『も』、ご搭乗いただき、ありがとうございます」
とアナウンスするようになったそうです。

 タクシー会社をクライアントに持つ講師仲間に聞いたところ、「タクシー会社でも、たった一文字の違いでクレームになることがある」と話していました。

 ドライバーがお客様の行き先を復唱するとき、「疑問形」を使うと、クレームにつながることがあるそうです。

 たとえば、お客様が「渋谷までお願いします」と言ったとき、「渋谷ですか?」と聞き直してはいけません。

「なんだ、近すぎるから渋谷に行ってはいけないのか?」と非難されているように受け取る人が、ときに、いるからです。

「渋谷ですか?」ではなく、「渋谷です『ね』」と断定的に復唱する。

 語尾の違いだけですが、「か?」の1文字で、お客様を不愉快にさせてしまうことがあるのですね。