ANA客室乗務員12年。500万人のお客様から学んだ「気がきく人」の1秒の習慣。その業界でダントツの成果を上げている人に共通していたのは、ほんの「1秒」という時間の中で判断を下し、非常に「気がきく習慣」をいつも実行しています!

87%の人が、自分や他人の
「ニオイ」が気になっている!


 以前、礼法を学んでいたとき、師範から
「訪問先にうかがったときには、事前に靴下を履き替える」
ように教わりました。

 畳の上で食事をし、お茶を点ててきた日本では、「清浄(せいじょう)」の象徴として、白い足袋を着用する習慣があったそうです。

 靴下を履き替えるのも、「礼の心」のあらわれであり、清浄の象徴です。湿った足裏で訪問先に上がってしまうと、礼を失することになります。

 数年前に、家電量販店のエディオングループが、「白靴下でご訪問・気持ち篇」というテレビコマーシャルを放映していたのを見たことがあります。

「商品の工事や据付(すえつけ)設置などでお宅にうかがう際には、新しい白靴下に履き替え、外の汚れを持ち込ない」という姿勢は、1回1回の機会を大切にしようとする同社の心配りなのでしょう。

 また、自分のニオイには慣れているため、靴下(足)の蒸れやニオイは、自分自身では気づきにくいものです。

20〜50代の男女に「お座敷や新幹線、車など、靴を脱ぐこともある場で、自分や他人の足のニオイが気になったことはありますか?」という質問をしたところ、87%の人が「ある」と答えたそうです(株式会社ライオン調べ/2015年)。

 自分では臭くないと思っていても、もしかしたら、周囲の人はあなたのニオイを不快に思っているかもしれません。

 セールスパーソンを対象としたビジネスマナー研修の中で、私は「替えの靴下や携帯用スリッパを持参しましょう」とおすすめしています。

 ですが、9割の方が「さすがに、そこまでする必要はない」と考えています。

 なぜなら、靴下やスリッパを用意したところで、会社の人事評価や処遇が良くなるとはかぎらないからです。

残念ながら「直接的な評価につながること」や、「目に見えること」だけを気にかける人が多い気がします。