多忙なビジネスマンゴルファーにとって、練習する時間は貴重なものであり、せっかく時間を割いて練習するのなら、効率よく上達できる方法を取るべきです。そこで今回から、ミスショット別のドリルを紹介していきます。

 今回のテーマは「プッシュ」系のミスの修正法です。プッシュとは、目標(ターゲット)ラインよりもボールを右に押し出してしまうことで、これは持ち軌道が「インサイド・アウト」の人に出る症状といえます。

 飛ばそうとしてダウンスウィングで腰を切ったとき、腰の回転が先行し過ぎると、肩や腕の動きが遅れます。そうするとクラブが振り遅れた状態になり、そのまま当たればプッシュアウトのミスに、インパクトでフェースがクローズになっていると、プッシュフック(右に飛び出してから左に曲がる)のミスになるわけです。

 このタイプの人には、「左足内股ドリル」がお勧め。方法は簡単で、アドレス時に左足のかかとを外(目標方向)に向けて、「左足を内股」にするだけでOK。あとはいつものようにスウィングしてください。

【第60回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson60「プッシュ系のミスは「左足内股ドリル」で修正する」 「左足内股ドリル」のメリットは、腰が必要以上に開かず、左腰が目標方向に流れないこと。軸が安定し、フィニッシュのバランスがとてもよくなる

 左足を内股にすることによって、腰が必要以上に開かない(先行し過ぎない)ため、俗にいう「左サイドのカベ」が生まれます。その結果、クラブヘッドが走り、振り遅れが解消されるのです。ダウン以降、左腰が流れないので、軸がブレず、バランスのいいフィニッシュをつくることもできます。

【第60回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー<br />Lesson60「プッシュ系のミスは「左足内股ドリル」で修正する」アドレスで左足を内股にして構えてみよう(左)。左足のかかとを目標に向けると、左足内側に体重が乗って内股になる。これにより「左サイドのかべ」ができる(右)

 また、インサイド・アウト軌道の度合いが強い人は、「スタンスをクローズにするドリル」も効果的です。一度スクエアに構えたら、肩のラインを目標ラインと平行にしたまま、「右足」だけを後方に下げます。この構えでは、極端なインサイド・アウト軌道でスウィングすると、クラブがボールに届きません。そのため、上半身を解放する動きが自然に生まれて、持ち軌道の度合いを弱くすることができるのです。こういったドリルを繰り返すことで、クラブが正しい方向から入るようになり、プッシュ系のミスを修正できます。

(取材・文/小山俊正)