親の読書習慣が自分の読書習慣につながる
ムーギー 高宮さんは私の昔の職場の先輩でもあるのですが、頭がキレるだけでなく、本当に人格者で尊敬できる方です。いまはベンチャーキャピタリストとしてグローバルで活躍される高宮さんはいったいどんな育てられ方をしてきたのか、根掘り葉掘り伺っていきたいと思います。
高宮 いきなり持ち上げられちゃうと、なんだかアレですが……(笑)。はい、よろしくお願いします。
ムーギー 高宮さんは帰国子女ということで、まずはそのあたりのご経歴をお聞きしたいのですが。何歳ごろ海外にいらっしゃったんですか?
高宮 1回目が幼稚園の年長から小学1年生までで、2回目が小学5年生から中学3年生まで。イギリス2回、あとはオランダと割と転々としました。子どもながらに苦労もありましたが、『一流の育て方』を読んで「ああ、自分は親によくしてもらってたんだな」とあらためて気づきました。あたり前のようにしてもらっていたことも、必ずしもあたり前ではないんだな、と。
ムーギー たとえば、どういった点でそう思いましたか?
高宮 まずは、「読書の習慣づけ」。うちは、両親がともにかなり本を読むんですが、その姿を見て育った僕も自然に本を読むようになりました。とくに小5から中3で海外に出た時は、日本語に飢えていたので、とにかく家にある本を何でも乱読しましたね。瀬戸内寂聴さんの本とか、村上龍さんの『限りなく透明に近いブルー』も小学生の時点で読んでいましたね。小学生にはドロドロで少々過激な内容でしたが(笑)
ムーギー 『一流の育て方』で取ったアンケートでも、「本を読む親の背中を見て自然と本に親しむようになった」という回答が非常に多かったんです。本連載でも、多くのビジネスリーダーの皆さんが、親の読書習慣から受けた影響について語っておられます。「本を読め」とガミガミ言われるより、よっぽど効果がある。
高宮 それ、よくわかります。僕はこのとき本を読む習慣がしっかり身についたから、いまも本を読まないと寝つけないんですよ。
ムーギー へええ!それはすごい。
高宮 帰国子女って、日本語の力が弱くなりがちなんですが、幸い僕はさほど日本語が苦手でないし、「あうんの呼吸」のような日本的なコミュニケーションも理解できる。これは、読書と親が海外でも頑なに家庭では日本語で会話するようにしてくれたおかげですね。