「行動パターン学習法」で最も大切なこと

「行動パターン学習法」で一番大切なことは、子どもに対する愛情です。

 強いて言えば、本能的な母性愛ですし、なめるような盲目的な愛の表現です。

 しかし、獅子は千尋の谷へわが子を落とします。

 時には厳しく対処する「父性愛」も必要です。

 この原理原則は、男女別々ではなく共通のもので、育児に携わるすべての人たちに持っていてほしいものです。

 つまり、溺愛と前向きの冷静さを使い分けて、しつけをするわけです。

私が提唱しているのは、具体的かつ冷静に感性をきたえる方法です。

 ひところ、あまりにも身勝手な意見を、あるお母さんから聞きました。

 たとえば、「子どもの自由にさせています」というもの。

いまだにこの世の仕組みも、自分の身体の動かし方もわからない幼児なのに、何が「自由」なのでしょうか。

ほうりっぱなし、面倒、からみつくな――この大人の身勝手を「自由」という言葉で逃げているだけです。

 私は母性愛をどう育てるのか真剣に思い悩み、落ち込んだこともあります。

しつけの成果を挙げ、将来に向けて大きく可能性を広げるには、わが子を思う愛情がなくてはうまくいくわけがありません。 

 お母さんが愛情を十分に与えると、子どもはいち早く吸収します。

 反対に、何かを強制したり、おざなりに教えたものは、子どもが間違って覚えたり、変なクセになってしまい、その矯正や修正に余分な手間がかかってしまいます。