小遣いが前頭前野を刺激する!?

 このようなデータからわかることは、最近の子どもは、あまり自分でものを買うことをしていないということです。

 自分のほしいものを自分の小遣いで買い、それを一定月額の小遣いでまかなうようにすれば、脳の前頭前野を使うことになるので、自主経済観念ができて、算数能力も上がってきます。

久保田 競
(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。著書に、『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。

 小遣いの少額化は、このままでよいのでしょうか?

 今回のテーマ「小遣いはどっちがいい?お札か?コインか?」は問題ではなくなります。

「キャッシュレス」を売り物にするクレジットカードが日常生活に侵入するようになって、子どもたちが買い物をする、町の個人商店が減っているように思います。

 現在では、子どもたちだけが行くおもちゃ屋、駄菓子屋はあまり見かけなくなりました。

 コンビニのカウンターは大人目線で背が高いので、子どもには不便で使えません。

 20世紀末には、大人たちが、子どもが遊べる空間を減らして、子どもの運動能力を下げることに貢献してきました。

 小遣い減らしが、子どもの思考力低下にならないことを希望します。

 お金を自分の意志で使えるチャンスを増やす必要があるのではないでしょうか。

 子どもに小遣いを与え始めのときは、少額のコインだけにします。

 そして、自分の考えで使える機会を増やしていきます。

 コインの持ち運びには、ポケットに入れられますが、がま口の財布がいいでしょう。

 月額小遣いが増え、ひと月1000円を超えると、お札(日本銀行券)の登場となります。お札の枚数が増えてくると、財布になります。

前頭前野活性化のために、小遣いを効果的に使っていきましょう。