日常生活でも仮説と検証を繰り返して行動している
仮説思考のスキルは人を動かすときにも効果的です。他人に仕事を頼むときや、上司に自分がやろうとしていることを説明するときにも役立ちます。仮説思考のスキルが身につくと、大きなストーリーが書けるようになりますし、どんな情報が足りないのかといったことが明確になるからです。まず鳥の目で見て、ポイントを見極めて地上に降りていくという思考ができるようになります。
私たちは、日常生活でも仮説思考をしていることがあります。たとえば、ドライブをする際に「週末は道路が混雑するだろう」と予想するのも仮説です。それで過去のデータを調べてみたり、メディアの発表している渋滞予想を調べたり、過去にその道路を使った知人に尋ねてみたりします。これが検証です。それで、やはり混んでいそうなら「朝、早く家を出る」かもしれません。そして実際に走ってみて、それでも混んでいることがわかったら、次回はもっと早く家を出ようとか、他のルートを走ってみようとか思うはずです。
このように日常生活でも、私たちは仮説と検証を繰り返して行動しているのです。仮説思考のスキルは、日常生活のなかでも磨くことができるのです。
参考文献/『仮説思考』内田和成著(東洋経済新報社)