「1分間部下管理法」の3つのポイント

 私が「1分間部下管理法」と出会ったのは、社員を大量採用し、マネジメントに悩んでいたころです。ガチガチに管理してしまうと窮屈ですし、こちらも時間をとられてしまいます。かといって、放任主義で好き勝手にさせていると業績が下降してしまうかもしれません。

 いろいろ悩んでいるとき、人に薦められたのが『1分間マネジャー』です。この本に書かれているスキルが「1分間部下管理法」です。わずか1分間で部下をマネジメントできる方法があると聞いて急いで学びました。

 この「1分間部下管理法」のポイントは3つです。

(1)「1分間目標」で明確な目標を立てること
(2)「1分間称賛」で部下の行動を誉めること
(3)「1分間修正」で達成できなかったときの軌道修正をすること

小まめにコミュニケーションをとること

 3つのポイントをどう実施するのかを説明しましょう。

「1分間目標」は、まずマネジャーと部下とで、なすべきことは何かを明確にします。そして、その各目標を1つずつ、1ページ以内に書き上げるのです。目標とその達成基準は250字以内に収めます。誰もが1分以内に読めるようにするためです。

 書いたもののコピーはマネジャーと部下が持ちます。

「1分間称賛」は、部下をまず観察します。そして、部下が正しく行動していたら、その場ですぐに誉めます。握手したり、触れたりして、組織のなかで部下が成功することを援助していると知らせるわけです。

「1分間修正」は、間違ったことを部下がやっていたらただちに修正します。何が間違っているかを具体的に教え、間違いを見てどう感じたかをはっきりとした言葉で伝えるのです。そして、本心から部下の味方であることがわかるよう、握手したり肩に手を置いたりします。たとえ間違いやミスを犯したとしても、部下に好意を持っていることをマネジャーははっきりと言うのです。

 要はたった1分でいいから、「小まめにコミュニケーションをとれ」ということです。「目標設定の時間」「称賛の時間」「修正の時間」、この3つの時間をたった1分でいいので、とっていれば、部下たちは見違えるようになります。そのためには、部下をしっかりと観察し、評価を小まめに伝え、部下から成果を小まめに吸い上げることです。