東京は新築でも中古でも変わらず
郊外は中古を買うほうがおトク?

 この数字は非常に都合が悪いことを表している。千葉・埼玉県の新築で15%値下がりすると、頭金として入れていた15%までのキャッシュを失って債務超過になることを意味するからだ。それだけではない。売却の仲介手数料3%を手元資金で用意できないと、売却もできないことになる。なぜなら、貸し出した住宅ローンには物件を担保として抵当権が設定されているが、元本を返済できない場合は抵当権が外れないので、売却すらできず、引っ越したくても引っ越せない状況に陥るからだ。子どもが通う公立学校で学級崩壊でもしていたら、転校すらできなくなる恐れがある。

 都道府県別値下がり率も東京23区は2%弱だが、千葉・埼玉県では毎年3%近くになることが確認されている。エリアによって、単価が高いところの方が値下がりしにくいことは明らかで、単価×値下がり率を都道府県別に掛け算した結果、どのエリアでも坪4万円下がることがわかった。70平方メートル台のマンションの場合、どのエリアでも毎年約100万円下がるということだ。都心の1億円のマンションを購入して10年が経過し約1000万円下がるのと、郊外の3000万円のマンションを購入して同様に下がるのでは、下落率は10%と33%というように大差が出る。

 通常、頭金を1割にして残りはローンを組んでいる場合、10年で元本は20%ほど減っている。このため、マンション価格の10年平均下落率は20%なので、首都圏において含み益が生まれるか否かは50:50の確率になる。しかしこれは一般論で、都心と千葉県では最初から結論が下されているケースも多い。物件を都心で選ぶことで含み益を出す確率は増していくことになるし、郊外を購入するなら新築ではなく中古を選ぶべきで、その際頭金を多めに入れられない人は売れなくなるリスクを想定しなければならなくなる。こういう人は次善の策として「住宅取得の贈与の特例」を利用することをお勧めする。

 マンション価格の下がり方は物件の属性で最初から決まっている。それを拙著『マンションは10年で買い替えなさい』で「7つの法則」として指摘したところ、ベストセラーになった。7つの法則のうち、5つの物件情報で下がり方は決定される。

 その5つとは、(1)所在地、(2)駅からの所要時間、(3)総戸数、(4)建物の階数、(5)面積帯である。資産価値が高くなる法則性の答えは、(1)都心寄り、(2)駅近、(3)大規模、(4)タワー、(5)ファミリータイプが有利で、この逆である(1)郊外、(2)駅遠、(3)小規模、(4)低層、(5)ワンルームが不利となる。この法則の1つに「都心寄りが有利」というものがあることに注目してほしい。