今週27日から、事業仕分けの第3弾が始まる。対象は特別会計。第1弾の国の449事業、第2弾の独立行政法人・公益法人に続いて、いよいよ本丸に切り込む。特別会計は、とにかくその予算規模が巨大だ。
国(政府)の会計は「一般会計」と「特別会計」の2つから構成されている。一般会計は税金や国債を主な財源として、社会保障、教育、防衛、公共事業などに、どうおカネを使うか(使ったか)を示す。これに対して、特別会計はある特定の事業を行うための特定の収入、特定の支出が明らかになるように、一般会計とは区別されて経理されているものだ。
特別会計の歳出(支出)総額は、2010年度予算で367.1兆円。もっとも、特別会計には、一般会計からの繰り入れなど、両方の会計に重複計上されている分があるので、それを調整すると歳出純計額は176.4兆円になる。それでも一般会計が92.3兆円だから、ほぼ2倍の大きさになる。にもかかわらず、夏の各省からの予算要求(概算要求)や年末の政府案の決定で、マスコミの脚光を浴びるのは一般会計なのである。みんなが注目する一般会計が「主」で、特別会計が「従」なのに、予算の規模は全く逆転しているのだ。
シーリングも対象外
財務省の査定も甘い
2003年の国会で、自民党の塩川正十郎財務相が「母屋(一般会計)ではおかゆを食って節約しておるのに、離れ座敷(特別会計)で子どもたちがすき焼きを食っておる」と発言して以来、ようやく特別会計に注目が集まり、改革は行われたきたものの、その内容は依然として、複雑怪奇にして、よくわからない。
現在、特別会計は「国債整理基金特別会計」「外国為替資金特別会計」「年金特別会計」など18あり、さらに細かく44勘定に分かれる。事業仕分けの目的は、特別会計のムダをあぶり出すことにある。仕分けを担当する政府の行政刷新会議は、特別会計が行う48事業について、集中的に事業仕分けに取り組むと伝えられているが、個別撃破ではムダをあぶり出すことに限界がある。なぜならムダをあぶり出そうにも、特別会計はわからないことだらけだからである。事を難解にしている原因を整理すると、ポイントは3つになる。