業績は今期から増益に反転見通し
NSX発表会は「復活」の象徴的イベント

 実際、ホンダの第1四半期(4~6月)業績は営業利益が2688億円、前年同期比11.5%の増益となった。八郷体制で八郷社長の女房役となった倉石誠司新任副社長が決算発表で初お目見えし「足元の販売は、中国とアメリカが新車効果で好調に推移しており第2クオーター以降も続けたい。円高による為替損を四輪、二輪の台数増とコストダウンで打ち返しての増益となっている」と中国と北米での好調が大きいことを示した。また、前期で品質関連費用計上が一段落したことも業績反転に繋がっている。

 業績面でも八郷体制移行から1年を経過する中で今期から増益に反転する見通しであり、いよいよ本格的に八郷ホンダ体制の始動ということである。それがNSXの復活、日本市場投入ということで8月25日は象徴的なイベントとなりそうだ。

 ホンダは、25日の発表に先立ち、8日からホンダのホームページで先行公開している。これを開けると、「待っているのは歓びか、驚きか」のキャッチコピーで、新型NSXのスーパースポーツモデルが披瀝されている。軽量ボディに新開発の直噴V型6気筒ツインターボエンジンをミッドシップに配置し、走りと燃費性能を両立して高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステムを搭載した。

 NSXの復活こそ、「ホンダらしさ」復活の第一弾となるのだろうか。

 その「ホンダらしさ」とはなんだろう。ホンダといえば、創業者の故本田宗一郎氏以来のチャレンジ精神を伝統とする独自の企業風土を培った自動車メーカーだった。何と言っても本田宗一郎氏の技術屋というより、やんちゃな職人気質の「魂、熱意、チャレンジ」が引き継がれてきたのが「ホンダらしさ」なのではなかろうか。

 八郷隆弘社長は、就任後ホンダらしさはと聞かれて「ホンダの商品を買っていただいたお客様に喜んでもらうこと、さらにホンダの商品で人生が変わったと言われるような商品を提供していくことだ。グローバルと地域密着の両輪でホンダらしさを発揮していきたい」と語っている。やや抽象的でインパクトに欠けるようだが、「人生を変えるような商品づくりを」というのが八郷カラーなのだろう。

社長候補としてはダークホースだった
伊東前社長の後の八郷隆弘社長

 筆者は、長年ホンダのトップや役員と交流してきたが「最近のホンダは変わってしまったな」と感じざるを得ないことが多々あった。それというのも主力車の度重なったリコールやタカタ製エアバッグ搭載台数が最も多いホンダ車への対応などにより、業績低迷の悪循環に陥る中で、ホンダ全体が大企業病的な官僚体質の気風が現出しているように感じたからだ。そう感じたのは、おそらく筆者だけではあるまい。