バッテリーEVの説明会で新車群を披露するトヨタの豊田章男社長 Photo:JIJI
トヨタが打ち出したEV新戦略
豊田章男社長の真意とは
12月14日、トヨタ自動車は今年末を限りに閉館する東京・お台場のメガウェブのトヨタシティショウケースを舞台にトヨタの「バッテリーEV（BEV）戦略に関する説明会」を開催した。豊田章男社長が自ら、約30分をかけてトヨタのBEVの2030年に向けた意欲的な戦略をプレゼンテーションした。
その内容はすでに各メディアが報道しているように、EV戦略に4兆円を投資し、30年にBEVの世界販売を350万台に引き上げるというものだ。さらに高級車ブランドのレクサスは35年までに全てをBEVにすることも発表した。
世界的なカーボンニュートラル（脱炭素）の潮流が加速し、自動車のEVシフトを急ぐ動きが進む中で、これまで世界トップを競うトヨタには「EV慎重派」、さらには「EVに後ろ向きの反対派」という客観的な見方がなされてきた。
今回の発表は、いわばトヨタに対するEVへの取り組みの“レッテル”を覆すために、世界に向けて強いメッセージを発信することを狙ったものだ。豊田章男社長からすれば「EVに関するトヨタの考え方がなかなか世の中にうまく伝わらない」ことに業を煮やして、「トヨタはBEVにもこれだけ意欲的に取り組んでいくぞ」という強い意思を表したものといえよう。
