『9割の日本人が知らないお金をふやす8つの習慣』著者の生形大さんと、“スッチー大家”こと、上原ちづるさんの対談。今回は、生形さんと上原さんの2人が共通して持っている、ビジネスを行ううえでの「目の付け所」について話が及びました。

不動産でも、ビジネスでも<br />儲けるためのたった1つのコツ

相場の1/3の値段で土地が買えた理由

上原 『9割の日本人が知らないお金をふやす8つの習慣』で面白かったのは、生形さんが、12人の権利者がいる再建築不可の旗竿地を安く買って、さらに隣地から土地を少し売ってもらうことで、再建築可能にするという話。プロの不動産業者のようですね。

生形 実は、最近買った物件はもっとすごいですよ。不動産ポータルサイトで売りに出されていた借地権の物件ですが、底地権は財務省が所有していて、それも一緒に買えるというものでした。ただしこれも旗竿地で、通路部分は他の所有者2人が持っていたので再建築不可でした。

上原 複雑ですね。

生形 つまり売り主は、借地権の所有者と、底地権の所有者、通路部分の所有者2人の計4人。そんな面倒な物件なので、都心にもかかわらず相場よりもだいぶ安く売りに出されていました。通路部分も含めて買えれば再建築が可能となります。

上原 4人から全部買ったんですか?

生形 そうです。まず借地権、底地権は普通に買えた。次に、遠方に住んでいる通路部分の所有者のところに菓子折を持って挨拶に行きました。子どもも連れて、「マイホームを建てたいんです」みたいな雰囲気で(笑)。所有者はかなり高齢の方で、「買い取ってもらえるの? じゃ150万円でいいよ」とあっさり。

上原 持っていても意味がなかったんでしょうね。

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生形 次に、通路部分のもう一人の所有者であるお隣さんに突撃しました。でも、出てきた奥様は機嫌が悪い様子。最初は「断るつもりです」なんておっしゃっていましたが、ご近所付き合いの愚痴をじっくりと聞いているうちに打ち解けてくれて、最終的には売っていただくことができました。
 結果として、相場では坪300万円くらいの土地をトータルで坪110万円くらいで手に入れることができたんです。しかも再建築が可能となった。

上原 権利関係が複雑だったからこそ、相場の1/3で手に入ったってことですよね! それは最初から勝算があって買い進めていったんですか?

生形 いいえ。銀行からはそのままでも融資をすると言われていたので、まずは旗部分を買って、通路部分については後から攻めるつもりでした。でも融資の直前になって銀行が「通路部分も抵当に入れないと融資できない」と言ってきた。それで急いで走りまわったというわけです。

上原 やむをえない環境に置かれれば、何とかなるものですね。