外国人からの人気も高い宿坊宿坊は外国人からの人気も高く、写経などの有償サービスへの波及効果も大きい。お寺の新たな収益源となりそうだ(写真は高野山の西院) Photo:KOUJI KUSUMOTO/SEBUN PHOTO/amanaimages

 民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されて1カ月半たつが、全国の届け出件数は今なお、6000件に満たない。かつて民泊予約サイトのエアビーアンドビーに登録されていたのが6万2000件だったため、宿の供給が9割減った計算になる。

 そんな中、民泊の救世主になりそうなのが宿坊だ。もともとは僧侶や信者向けの宿泊施設だが、旅行者が泊まれるところも多い。時期と部屋にもよるが、和歌山県の高野山では1泊1万~3万円。部屋にはエアコンやテレビがあり、朝の勤行に参加できるなどの特典も付いていて、訪日外国人から「日本らしい体験ができる」と人気を集めているのだ。

 そこに目を付けた楽天の民泊子会社、楽天ライフルステイは、宿坊予約サイトの「テラハク」を運営する和空と提携した。第1弾となるのは、滋賀県大津市の三井寺(正式名称は園城寺)。運営は和空が行うという。

 和空は、エアビーやオンライン予約サイトのブッキング・ドットコムとも提携している。「外国人の関心は高いが、7割が日本人客になりそうだ。年内に100軒、3年後に1000軒の登録を目指す」(和空の田代忍社長)としており、台風の目になりそうな勢いである。