「過去3ヵ月で最も売り上げが伸びた支店はどこ?」「マーケティングキャンペーンの効果は初日からどう変化している?」――データを効率よく集めてトレンドを把握したり意思決定をすることの重要性は誰もが知るところだ。BIとデータ視覚化でデータ主導を支援してきたドーモ(Domo)は、このようなデータ活用の波に乗り「ビジネスのためのオペレーティングシステム(OS)」を目指している。

 ドーモは創業者でもあるJosh James CEOが、前職で、売り上げなどの経営データをすぐに入手できない苛立ちから作った会社。Salesforce.com、Google Analytics、Facebookなど様々なアプリケーションと接続してデータを単一のプラトフォームに集約し、複数の方法でそれらを視覚的に表示できる。データは15分ごとに更新され、モバイルにも対応しているので、知りたいときにすぐにデータにアクセスできる。地域、期間などの絞り込みも可能で、アラートを設定したりアクションにつなげる部分までサポートする。米国本社は6月にIPOを果たした。

 同社の2018会計年度の売上高は前年比46%増で成長しており、日本市場にも大きな期待がかかる。日本法人の川崎友和代表取締役は、ここ数年で日本企業のデータ活用に変化を感じているという。日本におけるデータ活用とドーモのビジネスについて話を聞いた。

日本企業にもデータへの
姿勢に変化がみられる

――米国のCEO(Josh James氏、創業者でもある)はドーモをBIから拡大し、「スマートフォン上でビジネス全体を動かすことができるOS」と位置付けています。日本でのドーモの現状は? 

全員参加でデータ活用する組織へ <br />ドーモ(Domo)が描くビジネスOSの世界ドーモの川崎友和代表取締役。創業者兼CEOのJosh James氏とは、James氏がその前に創業したオムニチュア(その後アドビ システムズが買収)時代からの関係で、社名の「ドーモ」についても相談されたという。自身もスマートフォンでドーモを使い、ドーモ自身のあらゆる経営データをリアルタイムにチェックしている

川崎社長(以下・略) 米国本社では、「人がいかにデータをビジネスシーンで活用するのか」にフォーカスしたメッセージを伝えています。ですが、米国と日本では組織の構造や個人がどのぐらい裁量権を持っているのかが異なります。米国では経営者自らがデータを活用し、それをベースにアクションを取り、個人も責任の範囲内で決定して進めることができますが、日本はこれまで、全員で合意形成して進めていくことが多かったと思います。

 ですが、日本企業にとってもビジネスの速度が高速になっています。市場もグローバルになり、業界の垣根を超えて異業種に参入することが増えています。米国式をプッシュすることはありませんが、これまでの日本企業の組織の進め方では変化への対応が難しくなってきていると考えます。

 日本企業が世界と同じスピードでビジネスを進めるにあたって、それを支援できるプラットフォームの1つとしてドーモをご提案できると思います。ビジネスモデルが多様化するなかで、一人一人がデータに基づいた洞察を得ることができます。“データの民主化”と言われますが、特定の一部のみに集約されていたデータへのアクセス権、決定権が組織全体にパーソナライズされて広がると、個人個人が社内外を問わず何が起きているのかに気がつき、その場でアクションを取るというビジネスに変わることができます。(ドーモを使えば)このような組織になることができる、と伝えていきたいです。