対照的な男子校と女子校の立ち位置
このランキングを算出する際の条件をもう少し付けくわえておくと、対象は首都圏にある中高一貫校である。上智と東京理科はいわゆる「付属」中高がない。早稲田と慶應義塾の付属・系属校は内部進学率が9割台後半と高いこともあって、今回の対象から外されている。
中学入学時の偏差値がずば抜けて高い超難関校は高止まりしているため、「伸び」を示す今回のランキングには顔を見せていない。
では、ランキングの内容を見ていこう。パッと見て気がつくことは、共学校がないことだろう。25位までが男子校と女子校で占められている。「早慶上理」を第一目標とする傾向は準難関~難関私立女子に強かった。つまり、本来ならば女子校が多くを占めているはずなのだが、男子校がベスト10のうち8校を占めるなど存在感がある。
その理由としては、こうした上位にある男子校の多くは難関国立大を第一目標としており、早慶上理は併願校で、結果として合格実績が上っているという解釈だ。最近では、東大を目指さず早慶で妥協する傾向もあるというから男子も変わりつつあるのかもしれない。
一方で、「リニューアル男子校」と呼べそうな学校がベスト10に入っている。6位成城は新しい女性校長と新校舎が、9位芝浦工業大学付属は東京湾岸に新しい校舎があり、10位東京都市大学付属は新校長の下、帰国生比率も高く、進学校化を進めている。
最近では、きれいな校舎を好む男子が増加傾向にあるように思える。19位の本郷は新校舎が完成して、地の利の良さもあずかって年々人気を増している。生徒が制作した学校紹介が説明会で好評を博すなど、注目校である。