入試問題を「テーマ」で考える
テーマとは文章の主題のことである。何が書いてあるのか、実際に中学入試で出てくる国語のテーマを分類したのが次の表だ。大学入試と比べると、出てくるテーマの幅は広くはないが、それでも多岐にわたっている。
ここでは「精神的」「物質・事象的」と「内的」「外的」で4つに大別してある。主に、 説明文や論説文では「(筆者と)物事の関係」を扱うような「精神関係」「人間関係」「社会関係」「自然関係」などについて、説明したり、意見を述べたりする文章が対象となる。
「精神関係」には、「生き方・悩み」「考え方」「価値」のような哲学的なものや、「不安・ストレス」「幸福・豊かさ」「嫉妬・欲望」など、より人間の感情的なもの含まれる。
「人間関係」では物語文にあるような主人公対他者ではなく、「父母子とは?」「友人とは?」など、客観的に人と人の関係を考えていくことになる。
「社会関係」は、「文化習慣」「文明進歩」「戦争平和」「学校教育」「言語コミュニケーション」など人間が作り出したものを対象とする。
「自然関係」は、「自然・環境」「人間・人類」「動植物」「生命死」「宇宙」など自然に関する話題で、自然に存在するものと考える。
境界線が紛らわしいものもあるが、おおむね上記のようなくくりで分類して、それぞれ考えることになる。
よく出てくるテーマへの対処法をマスターすることで、確実に得点力は上がる。一時は古書価格が1万円を超えるまで急騰した小泉浩明氏の『中学受験 必ず出てくる国語のテーマ』(ダイヤモンド社)が電子書籍としてよみがえった。こちらでは、必須の3大テーマである「友人(友情)」「父母子」「自然・環境」をはじめとする12のテーマを対象に、詳細にその対処法を解説している。一度ご覧いただければ、国語の入試問題の見方が一変するはずだ。
日本の子どもは総じて幼いといわれる。精神的な成長を促すためには、本を読むのが一番。中学入試が大人になるための1つのきっかけになれば、学んだことは決して無駄にはならない。