小中一貫化を進める品川区
先に触れた日野学園(日野第二小と日野中を一体化)は、小中9年一貫教育の「義務教育学校」である。これは3年前に登場した新しい学校の形態で、校長1人、副校長3人の下、教員は原則として小中両方の免許を持っている。「○○学園」という名称の6校(日野、伊藤、八潮、荏原平塚、品川、豊葉の杜)が区内にはある。
これは品川区がいち早く実現した小中一貫校が国によって制度化されたものであり、中高を一貫化した中等教育学校と同様に、課程の区切りを独自に定めることができる。品川区では「4・3・2制」を採用しているが、これは中学進級時に落ちこぼれる「中1ショック」を回避するための手段でもある。
品川区には現在、37の小学校と15の中学校があり、うち6校ずつが義務教育学校だ。
小中一貫校の取り組みも早かったが、品川区の将来を見据えた校舎づくりも注目される。例えば、日野学園には区立総合体育館が併設されており、地域に開かれている。第一日野小は幼保一体施設、図書館、文化センター、教育センターも一体的に整備された校舎だ。将来の施設転用をにらんでバリアフリー化を進め、高齢者対応を進めている小学校もある。
ところで、学校選択制導入当初は、明らかに人気校と不人気校が出ていた。城南地区でもエリアによって雰囲気はだいぶ異なる。以前はブロック内で入りたい小学校を選べたが、現在は港区同様、隣接する学区からとなった。人気学区は学区内の住民が優先される。次いで、兄弟がすでに在校している、といった条件順に空きがあれば入学が認められている。