雙葉の大問3は数の法則性に着目して考える
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春日速水(かすが・はやみ)
算数オリンピック委員会所属。中学受験指導に精力的に取り組んだ経験を生かし、現在は算数オリンピック大会の運営、問題編集などに携わる。東大農学部卒・同大学院農学生命科学研究科修了。

雙葉でよく出る規則性の問題

春日 図1のような数の表の問題は、入試でもよく出ますし、算数オリンピックでも扱われることが多い。奇数を並べていって、そのまま解いてもいいのですが、今回は「何番目の奇数か」ということに注目して考えてみたいと思います。

 奇数を1、3、5、7、9と並べ、それぞれ「何番目の奇数」かに注目すると、飛び飛びの数字ではなく、皆さんが使い慣れた1、2、3、4、5(番目)という使い慣れた数字で表現することができます。この何番目の数を元の奇数に戻すには、「n番目の奇数」=n×2-1という式が使えます。例えば、3番目の奇数は、3×2-1=5となります。

 設問の図1を「番目」で置き換えると、図2のようになります。

 

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(1)では、「1行8列目の数」は何かが問われています。この図2の中でもう一つ注目することがあります。○を付けた数字は平方数といい、1=1×1、4=2×2、9=3×3、16=4×4といった具合に、同じ数を2回掛けたものです。これを基準に見ながら、順番に数を並べていくことになります。この先、解法については図3を見てください。

 1行目の3列目には9、5列目には25といった具合に、奇数の平方数は1行目の奇数の列に並んでいますから、7列目には49(=7×7)が入ることが分かります。(1)で問われている「1行8列目の数」はその右隣りにある50番目となります。先ほどの「n番目の奇数」の計算式に当てはめると、50×2-1=99となり、答えは99となります。
    
 (2)の「20行22列目の数」も同じように考えます。1行目の21列目は、21×21=441(番目)となります。22列目の1行目は442となり、そこから下に1つずつ進んでいくと、20行目では461となります。同じように式に当てはめると、461×2-1=921ですから、答えは921となります。

 設問(3)は「1411は何行何列目にありますか」と、これまでとは逆の問いです。先の計算式で、1411=n×2-1となるnは706(番目)であることが分かります。この706は、平方数の676(=26×26)と729(=27×27)の間にある数字です。

 26は偶数なので、676は26行1列目になります。706まであと30個進めばいいわけですが、677は27行1列目となり、27行27列目は703。そこから先は上がっていき、706は24行27列目となります。

 ありがとうございます。数字を“番目”に変換することによって、行目には偶数、列目には奇数の平方数が並ぶ。こうすることで一気に問題が解決するということですね。こうして見てくると、大問3は、雙葉の今年の算数の大きな山場になった問題だったと思います。

(1)から(3)の解き方を表で見るとこのようになる
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