素因数で考える武蔵の計算問題
金 武蔵は常に問題用紙が4枚。このやり方は30年、40年変わりません。出題パターンを分けると、割合、相似形の図形、速さ、そして場合の数が大きな柱となります。速さの問題がちょっと難しいかな。相似形の面積の問題が、22年は大問2で出ました。なんでこんなにやさしいのかなと思うくらいでしたが、21年が難しくて得点できなかったからかもしれません。
大問1(1)を見たとき、ちょっと考えないと、皆さん1から10までかけてしまいそうですが、そういうことではないというのを竹内先生、よろしくお願いします。
竹内 (ア)は、1から9までのどの整数で割っても割り切れる10以上の整数のうち、最も小さいものですから、答えは1から9までの全部の数の最小公倍数になります。最初はまず、連除法で計算してみてください。そうすると、2520だと分かります。ちなみに、1から10までの最小公倍数も同じ2520ということも覚えておきましょう。
小6になると素因数分解は欠かせないテクニックです。1から9までの数で、素因数がそれぞれ何個必要なのか。2の場合は8で、2×2×2で3個です。3の場合は9で、3×3で2個です。5と7は1個です。これを全部かけた数が、先ほどの2520(=2×2×2×3×3×5×7)となります。
次に、(ア)の約数のうち、最も大きい奇数は何かを考えます。2を1個でも使うと偶数となるので、奇数の約数にするには2を使えません。そうしますと、先ほどの2520(=2×2×2×3×3×5×7)から2を除いた3×3×5×7=315が(イ)の答えとなります。
金 ありがとうございます。私がこの問題を見て、まず直感的に考えたのは、2、3、5、7という素数を集めればいいのだなと。小学生っぽく考えると、4は2×2だから2を1個加える、6は2×3だからもういらない。8は2×2×2だから2をもう1個加える、9は3×3だから3をもう1個加える。橋本先生、何か思いつきましたか。
橋本 こうやって考えてもいいかなと。1~9の数の最小公倍数を見ていくと、2と4の最小公倍数は4で、2と8の最小公倍数は8、3と9の最小公倍数は9だから、これで絞り込めてしまいます。
金 どう考え、どうアプローチするか。アプローチの仕方は幾通りもあります。そういうことを考えることで、応用力が生まれます。