地道な場合分けを求める駒場東邦
平野 本校では、その年の西暦にこだわった問題を毎年出題しています。2022年も、図13のように大問1で出しています。私は、大問1(3)のコインの話がちょっと面白いなと感じました。
この問題を読んで、何を聞いているのかなと私も思いました。コインを使って買い物をするときに、場合分けをしながら考える問題です。
まず、最初の「おつりをもらわない金額が何通りあるのか」。これは、使うコインの枚数ごとに、場合分けをして考えていきます。1円から4枚使ったときの40円まですべて並べてみて、その後の問いにも使えるように備えておくのが良いかなと思います。
1枚のときは、1円、3円、9円、27円の4通りになります。2枚のときは、4円、10円、12円、28円、30円、36円の6通り。3枚のときは、13円、31円、37円、39円の4通りに、4枚のときは40円の1通りとなります。ですから、アは、4+6+4+1=15通りとなります。
おつりをもらう場合も同様に、場合分けをして考えていきます。ただ、1円出して1円のおつりをもらう、あるいは110円出して10円のおつりをもらうというのはないですよね。そこに注意しながら、地道に場合分けをすることが必要となります。
アの15通りの金額は次のようになります。1円、3円、4円、9円、10円、12円、13円、27円、28円、30円、31円、36円、37円、39円、40円。
おつりでもらう1枚のコインごとに、この15通りにかぶらない金額を見ていきましょう。おつりが1円の場合は、2円、8円、11円、14円、29円、32円、38円。おつりが3円の場合は、6円、7円、24円、25円、33円、34円。おつりが9円の場合は、18円、19円、21円、22円。おつりが27円の場合はなし。ということで、ウの答えは7+6+4+0=17通りです。
同様におつりでもらうコインが2枚の場合はどうでしょう。おつりが4円の場合は5円、23円の2通り。おつりが10円場合は20円、21円、26円、29円の4通り。おつりが12円の場合は25円の1通り。ということで、エの答えは2+4+1で7通りとなります。
(b)の「2022円の品物をこのコインで買うことができますか」という問題ですが、具体的に書き上げて考えてみました。〈0〉=1円、〈1〉=3円、〈2〉=9、〈3〉=27円、〈4〉=81円、〈5〉=243円、〈6〉=729円、〈7〉=2187円というコインを組み合わせて使って、2022円の品物を買い、おつりがきっちりもらえるか、ということです。同じ種類のコインは1枚ずつしかありません。
〈7〉で2187円を出すと、おつりは165円ですが、これらのコインの組み合わせでは165円にはなりません。そこで、出すコインの組み合わせを考えてみると、〈4〉と〈7〉のコインで2268円を出して、246円のおつりをもらえば2022円の品物が手に入りますから、いけそうですね。〈5〉と〈1〉のコインで246円となります。
かなり時間がかかると思いますので、受験生が最後の問題まで行くのはつらかったかなと思います。
金 今年の駒場東邦の問題は、みんな厳しいですね。受験生は半分泣いたと思います。いま平野先生のお話をうかがって、みんなできてなくても心配するな、みんなできていないからと言いたいです(笑)。