午前午後セットの短期決戦が定番化

 22年2月1日午前の受験者数(21年比増減)は、東京が3万4200人(+3.5%)、神奈川は8157人(▲0.1%)となっており、前年並みの神奈川に比して、東京の伸びは大きかった。東京はまだ小6人口が前年比で増加しており、3県と比べて所得水準が高く、高校生への助成が手厚いことも影響しているだろう。

 22年の東京・神奈川入試でもう一つ顕著に見られたのが午後入試の隆盛である。午前の受験者数を100として、19年から22年の午後の受験者数を見てみると、1日午後は53、58、61、64と年々高まり、3人に2人は午後も引き続き受験したことを意味している。2日午後も同様に、42、47、49、52と過半数を超え、2人に1人は午前午後とセットで受験したことが分かる。午前の難関校の併願先という受験動機に加えて、共学校の中には午後入試が本命校という動きも見られるようになり、女子校でも同様の動きが出ている。

 併願パターンも偏差値だけではなく、校風を加味した動きが見られる。例えば、女子美術大学附属(杉並区)の午後の併願先で多いのは恵泉女学園(世田谷区)だが、どちらも明るく楽しい雰囲気という共通点がある、といった具合に。

 また、これまでの共学校人気は優秀な女子がリードしてきた側面があったが、22年は、広尾学園や渋谷教育学園渋谷でも男子受験生の増加が見られる。元女子校ながら男子受験生に人気の青稜は女子受験生が増加、いずれも男女の受験者数格差が是正される傾向にあることも注目される。

 午後入試は、1日と2日以外に、3日も4日も受験生が増加している。22年ではっきりしてきた動向は、1日の午前・午後、2日の午前・午後、そして3日の午前という5回連続の受験が、一つの大きなパターンとして定着してきたことだろう。どのように入試を組み合わせるのか、そこで保護者の手腕が問われる。3日の午前入試までで合格が得られなかった場合は、4日や5日の超高倍率の荒波に立ち向かい、そこでも合格を得ることができなければ、そのまま漂い続けることを意味するからだ。