びっしり詰まった留学関係の掲示。在学中に一度は長短期の海外体験の機会がある

早実がこれから注力したいこと

――早実の教育の特徴というものはありますか。

恩藏 英語教育には力を入れています。自由に考える探究教育も、小学校からずっと取り組んでいます。

――探究は強そうな気がします。一貫教育の良さですね。

恩藏 いまの世の中にはすごく合っています。英語に関していうと、中3で英検準1級、高等部卒業までに1級を取った卒業生がいました。高校生は準1級ですら取るのが大変ですから、「絶対校内で一番だろう」と思っていたのですが、「自分よりもっと優秀な生徒が何人もいます。帰国生も多いですし」と、その卒業生に言われました。

――それは頼もしいですね。早大に医学部もあれば、最優秀層も早稲田にとどまってくれるのでしょうが。

恩藏 2名ですが、日本医科大からは学校推薦枠を毎年いただいています。

――学校としては多様な人たちがいるに越したことはないでしょうし。これから力を入れていきたいことはありますか。

恩藏 帰国子女は別として、できるだけ異文化に触れてほしい。いまは年間100人程度の生徒が海外を経験しています。初等部には、保護者と一緒のサマープログラム(ハワイ)の他、オーストラリアでのホームステイ、台北市にある私立薇閣(ウェグゥ)国民小学校との交換ホームステイなど、海外交流プログラムがあります。

――小学生は夏休みの短期でしょうけれども、中高生になるといろいろありそうですね。

恩藏 コロナ禍で止まっていたものが、再び動き出しました。中等部の3年生は英ラグビー校や英スタムフォード・エンドード校への1年間の正式留学プログラムがあります。また、豪キャンベラ・グラマー校との8週間の交換留学もあります。

 1年間の留学でもいいですし、長期休暇を利用しての2~3週間の短期研修でもいいので、小中高のどこかで親元から離れて英語で生活してみる経験をさせたいと考えています。今後は、その数を増やして、年間200人ほどに増やせればと考えています。

――授業の他にも取り組むとなると、けっこう大変でしょうね。

恩藏 早実は年30週授業があり、これはけっこうヘビーなのだそうです。

早大系属で初の共学校は、優秀な卒業生を輩出している