2017.11.23
ビットコイン消滅も、送金コスト高騰問題の行方
分裂後の様々な思惑や取引量増大で価格高騰が続くビットコインだが、送金手数料も自動的に上がってしまい、少額・高速の決済や送金ができるメリットが急速に失われようとしている。手数料問題をどう解決するかが今後の利用拡大を決めることになる。
一橋大学名誉教授
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ
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2017.11.23
分裂後の様々な思惑や取引量増大で価格高騰が続くビットコインだが、送金手数料も自動的に上がってしまい、少額・高速の決済や送金ができるメリットが急速に失われようとしている。手数料問題をどう解決するかが今後の利用拡大を決めることになる。
2017.11.16
17日予定されていたビットコインの新しい通貨の分岐が取りやめになった。再分裂で混乱すれば、少額高速の送金・決済ができネット情報の質を高める可能性を持つ仮想通貨自体が「欠陥通貨」として信用を失いかねなかっただけに、ひとまずはよかった。
2017.11.9
再分裂が11月中旬に予想され、暴落が起きてもおかしくないビットコインだが、「値上がり益期待」で価格上昇が続いているのは、18世紀の英国で起きた「南海バブル」の様相だ。だがいまの国債や株式市場は破裂すればもっと深刻なバブルだ。
2017.11.2
異常な値上がりが続くビットコインだが、新仕様導入に伴う度重なる分裂による混乱や、分裂したもう片方のコインで意図しない取引が行われるリスクも解消されていない。高騰は投機資金の流入によるとみられるが、さまざまな問題が起きビットコイン自…
2017.10.26
高速計算が可能な量子コンピュータが実用化されれば、ネット上の取引記録などを共有するブロックチェーンの暗号が破られ、電子署名や取引承認が勝手に行われる可能性がある。それを防げる新たな開発も進んでいる。
2017.10.19
新規格の導入をきっかけに分裂したビットコインが、11月に再分裂する可能性が高まっている。しかも今回の分裂では、情報がコピーされて、送金したつもりはないのに、もう片方のコインも送金されるといった「リプレイアタック」が起きる恐れがある。
2017.10.12
アベノミクスの評価は働く人と、株式保有者や企業からの評価では全く違う。富裕層や企業は豊かになったが、大多数の働く人はそうではないから、多数決ではアベノミクスは否定されるはずだ。だが異次元緩和などへの反対が出ないのは、働く人の利害が…
2017.10.5
消費税問題が注目される総選挙だが、与野党ともに、財政再建は事実上、“放棄”している。それを可能にしているのが、国債を増発しても金利が上がらなくなっている日銀の異次元緩和策だ。増税や財政再建を考えるなら、金融緩和をこれ以上、続けるの…
2017.9.28
仮想通貨の運用には電子証明が必要。ところが、量子コンピュータが実用化すると、現在の暗号システムに依存する電子署名は、有効でなくなる可能性がある。それに対する解決策の1つとして「ランポート署名」がある。
2017.9.21
量子コンピュータが実用化されれば、インターネット上の取引で用いられる暗号が解読され、ネットの安全システムが破壊される懸念が指摘されているが、量子コンピュータでも破れないさまざまな暗号が提案されている。
2017.9.14
インターネット上の取引で用いられる暗号を解読できる可能性を持つ量子コンピュータの実用化が近づいている。ネットの安全システムは破壊されるのか。量子コンピュータにもできることと、できないことがある。
2017.9.7
仮想通貨などのネット上の取引は暗号化されたシステムで行われている。記録などを改ざんしようにも膨大な計算作業がかかるようにして不可能にしているのだが、飛躍的な高速処理が可能な量子コンピュータが実用化されれば、暗号の安全性が脅かされる…
2017.8.31
企業が独自に仮想通貨を発行、投資家から出資を受け、さらにその仮想通貨を取引所に上場、売却して資金を調達する新手法が急拡大している。ネットを通じ世界中の投資家から資金を得られ、ベンチャーキャピタルからの調達と匹敵する存在感だ。だが値…
2017.8.24
日本では仮想通貨は値上がり益を求める投機の手段として普及しているが、世界の動きは違う。ウェブでのコンテンツ有料配信の少額支払いを可能にする、新しい原理や技術を使ったさまざまな仮想通貨が生まれている。このままでは世界の動きから取り残…
2017.8.10
取引能力拡大のための新規格導入による対立から、ビットコインのほかに,新しい仮想通貨が生み出された。どちらが生き残るのか。仮想通貨間の競争の勝敗を決めるのは、使いやすく便利なこと。つまり利用者にとってどちらの貨幣「価値」が高いかだ。…
2017.8.3
ビットコイン普及のカギを握る「拡張性」問題を解決する切り札が、取引の当事者が電子署名で約束した一定のルールのもとで送金するライトニングネットワークだ。少額の高頻度での取引が可能になり、利用が飛躍的に増える可能性がある。
2017.7.27
新規格導入の主導権争いで「分裂」も予想されたビットコインだが、開発者やユーザーの提案を折衷した形の案がとりあえず採用され、ひとまず落着した。だが利用が増えれば常に「拡張性」の問題で対応を迫られることに変わりはない。
2017.7.20
利用が急増するビットコインの処理能力をあげるシステム「拡張」の仕様などの刷新をめぐって開発者やユーザー入り乱れて議論が続くが、一部の陣営が8月1日前後に、規格の刷新を強行する可能性がある。ビットコイン分裂が現実味を帯びている。
2017.7.13
ビットコイン普及のカギは、クレジットカードなどによる決済に比べ格段に落ちる取引の処理速度を上げることだ。利用が増えるのに伴い、システムをどういうやり方で「拡張」するかを巡って専門家の間で活発に議論が続いている。
2017.7.6
ビットコインなどの仮想通貨が暴騰しているが、「値上がり期待」だけの購入は暴落の危険もあり、健全な姿ではない。送金手段などで利用が広がる中で、ビットコインを使って新しいビジネスをどう生み出していくか、そんな発想が重要だ。
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