井手ゆきえ
梅毒患者が年間1万人突破!今年1月から世界標準の治療法が利用可能に
梅毒の流行が止まらない。感染症法に基づく届け出が始まって以来の年間最多届け出数を更新。年間1万人を超えた。梅毒の発生届出には、2019年から性風俗の従事歴と利用歴に関する記録が義務づけられている。

コロナ&インフル「同時感染」が怖い今年の冬、対策と避けるべき行動とは
今年の冬はCOVID-19と季節性インフルエンザ(インフル)の同時感染に注意が必要だ。一足先にインフルが流行した南半球でも、今シーズンの感染者数はCOVID-19以前の水準に戻り、オーストラリアの流行株の8割がA香港型だったことから、日本でも重症化しやすいA香港型が警戒されている。

6年後の腰痛を予防するために、BMI25以上の人は「10%減」を目安に!
慢性的な腰痛持ちなら、一度は「少し痩せなさい」と言われたことがあるだろう。ただ、どれだけ体重を落とせば腰痛リスクが減るのかは不明だった。山形大学の研究グループは「反実仮想モデル」という手法を使い、4年間の体格指数(BMI)の変化が、6年後の腰痛リスクに及ぼす影響を検討している。

結腸がんの再発予防は「中~高強度の運動」が効果的
最新のがん統計(国立がん研究センター)によると、III期の結腸がんの10年生存率は男女とも6割ほどだ。1990年代に術後の抗がん剤治療が始まってから、結腸がんの生存率はぐっと改善された。手術がぎりぎり可能なIII期でも初回治療から再発までの無病生存期間(DFS)は25%延びている。 ただ、最近は頭打ち傾向にあり、次の一手が模索されてきた。

精神の健康にいい食べ物は?果物、野菜、お菓子…意外な調査結果に
何かと不穏な空気がまん延している昨今、メンタルヘルスを守るには何がいいだろう。英アストン大学の研究グループは、英国在住の健康な成人428人(平均年齢39.7歳、女性53%。およそ9割が白色人種)を対象に、日々の食習慣とメンタルヘルスとの関係を調査している。

乳がん検診もAIの時代に?プロ並みの精度を実現
毎年、10月は乳がん啓発のピンクリボン月間だ。日本人女性の乳がんは30代後半から増え始め、40~50代の前半に発症のピークがある。国は原則、40歳から2年おきに問診とマンモグラフィー(乳房X線検査)単独法の受検を推奨しているが、近年は30代から乳がん検診を提供する自治体も増えてきた。

コロナの後遺症、8人に1人は数カ月持続
オミクロン変異/亜型の大流行で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の増加が懸念されている。後遺症に関しては、一般的な健康問題と区別し難いことから、詐病扱いに傷つく人も少なくない。

痛風発作後の4カ月間は、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすい
痛風持ちは心筋梗塞や脳卒中を起こしやすい。それも「痛風発作」の直後~数カ月は特に注意が必要らしい。英国の研究グループは、およそ6万人の痛風患者(平均年齢76.5歳、女性30.7%)のうち、痛風と診断された後に心血管疾患(急性心筋梗塞と脳卒中)を起こした1万475人と、それ以外の5万2099人のデータを比較。さらに心血管疾患と痛風の両方を経験している1421人のデータを加味して、両者の関係を調べた。

日本人男性は米飯が心臓の保護に、女性は米・パン・麺で関連なし
糖質制限ダイエットが定着した昨今、健康リスクが高い主食は、果たして米か小麦か。岐阜大学の研究グループは、1992年にスタートした岐阜県高山市の集団研究「高山スタディ」のデータを使い、当時登録した35歳以上の地域住民から心血管疾患の既往がない2万9079人(男性45.9%)を選び、米飯食、パン食、および麺類と心血管疾患との関連を調べている。

9月は健康増進普及月間、まずは睡眠の見直しから
毎年9月は健康増進普及月間。コロナ禍で健康の大切さが身に染みた今、基本の睡眠から、身体をメンテナンスしよう。理想的な睡眠時間は7時間だといわれるが、睡眠不足の人が睡眠を改善した場合のメリットは、いまひとつ明らかではなかった。

「食卓で塩を足す」と死亡リスク上昇、平均余命が1~2年短縮
最近の外食メニューは、健康志向を反映し「減塩」をうたうものが多い。物足りず、塩や醤油を足す方もいるだろう。米テュレーン大学の研究グループは英バイオバンク参加者50万1379人のデータを使い、食卓で塩を使う頻度と、平均余命の関係を解析している。

#15
歯周病と糖尿病や認知症などの全身疾患との関連が注目されている。研究が重ねられ、エビデンス(科学的根拠)が蓄積されつつあるところだ。「歯と全身の健康」の関係は今、どこまで分かってきているのか。現在位置を冷静に確認しておこう。

#14
歯ブラシ、フロス、歯間ブラシと毎日の歯磨きツールは山ほどあれど、本当に正しく使えているか、“やったつもり”になってはいないか?歯のお手入れの“正解”をきちんと理解するところから始めよう。

#9
ドラッグストアの棚には、歯磨き粉やマウスウォッシュがこれでもかと並んでいる。薬用成分も多種多様だ。この中で、本当に薦められるコストパフォーマンスのいい商品はどれなのか。薬用成分のエビデンス判定と価格によって、コスパのいい市販の歯磨き粉ベスト3を選定した。

#8
要介護となった高齢者が自力で歯科医院に通うのは難しい。歯科の訪問診療もまだまだ根付いていない。高齢者のお口の健康はしばしば“ほったらかし”になってしまっている。歯がボロボロになった認知症高齢者などが多数生まれている実態がある。

#6
全国の歯科医院の数は6万7000を超える。その中には当然、質の悪い石ころも交じっているはずだ。だが、悲しいかな、その良しあしはうかがい知れない。そこで歯科医院の内部事情をよく知る歯科衛生士4人に、これまで院内で「何を見てきたか」を語ってもらった。

脳卒中は夏の病気?酷暑で死亡率が上昇
酷暑だ。異常気象が「通常」になると季節性の疾患も様変わりする。冬の病気とされてきた脳卒中も例外ではない。オーストラリアの研究グループは、高温または熱波と脳卒中、心筋梗塞などの「心血管疾患」との関連を調べるため、世界各地の観察研究266件を総合的に解析した。この際、気候帯の影響に配慮し、熱帯、乾燥帯、温帯(地中海、海洋性、亜熱帯)、大陸性の4区分に相当する国と地域の調査・研究を組み入れている。

“善玉”コレステロールは「高ければ良い」というものではない
医療の現場ではHDLコレステロール(HDL-C)に対し「善玉」という説明をしなくなっている。HDL-C値が高すぎると、死亡リスクが上昇するとわかってきたからだ。

「朝の運動」でお腹の脂肪と血圧が減少、ただし女性に限る?
運動にも最適な時間帯があるようだ。しかも性差つきで。米スキッドモア・カレッジの研究者は、30人の女性(平均体格指数24、平均年齢42歳)と26人の男性(同25.5、同45歳)を、06~08時に運動する群(朝活群)と、18時半~20時半に運動する群(夕活群)とに割り付け、コーチ指導の下、同大で開発した運動と食事のプログラムを12週間実行した。

若年者も普通体重がお勧め、BMI22以上で乳がんリスク低下
肥満は閉経後乳がんのリスクだが、閉経前の若年層は痩せていたほうが乳がんになりやすい。ただし、この“常識”は欧米のデータから導かれたもので、元々の体格が違う日本人にも当てはまるかは曖昧だった。
