2023.7.11
イエレン米財務長官「気合の訪中」でも拭えない、米中の“構造的矛盾”とは
2023年上半期を総括し、下半期に向けて示唆するような、中国外交の一幕であった。7月6日~9日、ジャネット・イエレン米財務長官が中国を訪問した。同財務長官の訪中に関しては、過去半年を含め、米中当局の間で終始交渉のテーマであり続けた。
国際コラムニスト
加藤嘉一(かとう よしかず)
国際コラムニスト。楽天証券経済研究所客員研究員。1984年静岡県生まれ。2003年高校卒業後、単身で北京大学留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。英フィナンシャルタイムズ中国語版コラムニスト、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ハーバード大学ケネディ・スクール(公共政策大学院)フェロー、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員、香港大学アジアグローバル研究所兼任准教授などを歴任。著書に『われ日本海の橋とならん』『中国民主化研究:紅い皇帝・習近平が2021年に描く夢』『リバランス:米中衝突に日本はどう対するか』(いずれもダイヤモンド社)など。中国語の著書も多数。
2023.7.11
2023年上半期を総括し、下半期に向けて示唆するような、中国外交の一幕であった。7月6日~9日、ジャネット・イエレン米財務長官が中国を訪問した。同財務長官の訪中に関しては、過去半年を含め、米中当局の間で終始交渉のテーマであり続けた。
2023.6.27
6月18~19日、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が中国を訪問した。バイデン政権発足以来、初となる米閣僚の訪中である。本来であれば、2月上旬にブリンケン訪中が組まれ、3期目入りを直前に控えた習近平国家主席との会談も予定されていたが、…
2023.6.13
「実践は我々に語る。中国共産党はなぜ有能なのか、中国の特色ある社会主義はなぜ良好なのか、結局は、マルクス主義が素晴らしいから、もっと言えば、中国化、時代化したマルクス主義が素晴らしいからなのだ。マルクス主義の科学的理論指導を有して…
2023.5.30
チャイナリスクがみたび、顕在化するか。昨年、国際政治・経済における最大の事件が、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻であったことは疑いないだろう。世界史に深く刻まれる惨事である。一方、ロシア・ウクライナ戦争ほどのインパクトはないもの…
2023.5.16
習近平第3次政権が本格始動して2カ月がたとうとしている。この期間、「ゼロコロナ」策が解除され、国がリオープンに向かっている背景も作用し、中国は積極外交を展開してきた。サウジアラビアとイランの国交回復を北京で仲介したり、ロシア、ウクラ…
2023.5.2
ついにこの日がやってきた。中国の習近平国家主席がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行った。2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻して以降、初となる中国・ウクライナ首脳会談である。その意味は深く、歴史的とさえ言える。
2023.4.18
全国人民代表大会が3月13日に閉幕、国・政府・軍の新人事が決定し、昨秋の第20回党大会の流れを受けて、習近平第3次政権が正式に発足・始動して、約1カ月が経過した。5年に1度の党大会から翌年3月の全人代までの期間は、政権人事という意味で「5年…
2023.4.4
4月1~2日、日本の林芳正外相が中国を訪問した。コロナ禍の影響なども受け、日本の外相として3年3カ月ぶりの訪中となった。
2023.3.21
3月13日、毎年恒例の全国人民代表大会(全人代)が閉幕した。文字通り、全人代は毎年3月(新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年は2カ月延期で5月開催)に行われるのだが、今回は、昨秋、5年に一度の党大会直後ということで、「5年に一度」…
2023.3.7
3月5日、日曜日、午前9時(北京時間)、北京の人民大会堂で全国人民代表大会(全人代)が開幕した。昨年10月に行われた第20回共産党大会を経て、習近平総書記は3選、「チャイナセブン」とも称される新たな中央政治局常務委員が選出された。これらは…
2023.2.21
2月17日~19日、ドイツでミュンヘン安全保障会議が開催された。1962年から毎年開催されている会議である。中国からは、昨年10月の第20回共産党大会で楊潔チの後を継いで中央政治局委員(トップ24)に昇格した王毅・中央外事工作委員会弁公室主任が…
2023.2.7
昨年11月、3期目入りを決めた習近平はインドネシアで開催されたG20サミットに際し、バイデン大統領と初の対面での首脳会談に笑顔で向き合った。その後も、国防、通商、財務といった分野で閣僚対話が続いた。そして、米国東部時間の2月3日夜、ブリン…
2023.1.24
1月22日、中国が春節(旧正月)を迎えた。昨年、中国人民は「ゼロコロナ」下で居住地での年越しを要求されていたが、昨年12月上旬以降の「ゼロコロナ」策大幅緩和、実質解除を受けて、今年は基本的に自由な、当事者の意思による帰省が認められてい…
2023.1.10
「激動」と言えた2022年が過ぎ去り、新年がスタートした。昨年10月に開催された第20回党大会で3期目入りを決めた習近平総書記(以下敬称略)が、新政権を率いていく上での「元年」になるのが2023年である。3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人…
2022.12.27
2022年は中国にとって「激動」と言っても過言ではない一年だった。中国自身だけでなく、そんな中国と向き合い、付き合っていかなければならない世界にとっても同様であった。2022年最後の一本となる本稿では、2022年の中国情勢を12のキーワードから…
2022.12.13
「私個人の経験からすれば、新型コロナウイルスの症状は風邪やインフルエンザよりも軽い。だから皆さん、慌てたり怖がったりする必要はない。愉快な心理状態を保ち、たくさん野菜や果物を食べて、たくさん水を飲むことだ」12月11日、中国大手ECサイ…
2022.12.10
中国ではいま「ゼロコロナ」政策への抗議デモが拡大している。厳しい言論統制が敷かれる同国で、民衆はいかにして勇気を奮い立たせて行動を起こしたのか。中国で約300万部、世界累計で1000万部を突破した大ベストセラー『嫌われる勇気』を手がかり…
2022.11.29
「わが国社会の安定は、臨界点に達しつつある。人々の忍耐力が限界に達しつつある。このまま放置すれば、想像もできない状況に陥る可能性も全く否定できない」。先週末、社会の治安を管理する中国政府の関係者と議論していた際に、先方が伝えてきた…
2022.11.15
第20回党大会が閉幕し、新指導体制がお披露目となってから早くも3週間がたった。国務院総理、各省庁の首長、国家副主席を含め、新政権を巡る全ての人事が決定するのは来年3月の全国人民代表大会(全人代)であり、その意味で、現状は政治的過渡期に…
2022.11.1
10月22日、中国共産党第20回全国代表大会(以下「党大会」)が閉幕し、23日正午(北京時間)、新たな中央政治局常務委員がお披露目された。習近平体制の今後、中国の行方を考察する上で歴史的に重要な党大会、人事になったといえる。
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