
加藤嘉一
「激動」と言えた2022年が過ぎ去り、新年がスタートした。昨年10月に開催された第20回党大会で3期目入りを決めた習近平総書記(以下敬称略)が、新政権を率いていく上での「元年」になるのが2023年である。3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代)を経て、国務院総理、国家副主席、各省庁の閣僚など重要人事が固まり、習近平第3次政権が本格的に発足、始動するという流れで、習近平自身の国家主席再任が決まるのも全人代である。

2022年は中国にとって「激動」と言っても過言ではない一年だった。中国自身だけでなく、そんな中国と向き合い、付き合っていかなければならない世界にとっても同様であった。2022年最後の一本となる本稿では、2022年の中国情勢を12のキーワードから総括する。

「私個人の経験からすれば、新型コロナウイルスの症状は風邪やインフルエンザよりも軽い。だから皆さん、慌てたり怖がったりする必要はない。愉快な心理状態を保ち、たくさん野菜や果物を食べて、たくさん水を飲むことだ」12月11日、中国大手ECサイト「京東商城」(JD.com)の創業者・劉強東氏が同社の従業員に向けて発信したビデオメッセージを、上海を拠点にするメディア澎湃(The Paper)がソーシャルメディアで配信した。

日本発の自己啓発書が示す、権力に抗議する中国民衆の「勇気」とは?
中国ではいま「ゼロコロナ」政策への抗議デモが拡大している。厳しい言論統制が敷かれる同国で、民衆はいかにして勇気を奮い立たせて行動を起こしたのか。中国で約300万部、世界累計で1000万部を突破した大ベストセラー『嫌われる勇気』を手がかりにその背景を探る。

「わが国社会の安定は、臨界点に達しつつある。人々の忍耐力が限界に達しつつある。このまま放置すれば、想像もできない状況に陥る可能性も全く否定できない」。先週末、社会の治安を管理する中国政府の関係者と議論していた際に、先方が伝えてきた、中国社会の現状に対する所感である。

第20回党大会が閉幕し、新指導体制がお披露目となってから早くも3週間がたった。国務院総理、各省庁の首長、国家副主席を含め、新政権を巡る全ての人事が決定するのは来年3月の全国人民代表大会(全人代)であり、その意味で、現状は政治的過渡期にある。一方、政策や人事を含め、新政権は早くも本格的に動きだしているようにも見受けられる。

10月22日、中国共産党第20回全国代表大会(以下「党大会」)が閉幕し、23日正午(北京時間)、新たな中央政治局常務委員がお披露目された。習近平体制の今後、中国の行方を考察する上で歴史的に重要な党大会、人事になったといえる。

10月16日(日)、中国共産党第20回全国代表大会(以下「党大会」)が開幕した。22日(土)まで行われる。党大会最大の注目点は3つある。(1)中央委員会総書記による報告、(2)「党の憲法」と言われる党規約の改正、(3)新・指導体制のお披露目、である。

10月16日に開幕する中国共産党第20回大会まで、2週間を切った。党大会で扱われる議事、閉幕日に発表される新指導体制の人事を含め、現在、大詰めの状況にある。今回は、筆者自身、第20回党大会で最も注目していると言っても過言ではない人物を取り上げたい。胡春華・現国務院副総理兼政治局委員である。

8月30日の中央政治局会議において、第20回党大会が10月16日(日)に開幕すると発表された。例年の慣例からすると、閉幕日は10月22日(土)の見込みで、同日、新たな政治局常務委員、すなわち新指導体制がお披露目となる。

8月30日、中央政治局が会議を開き、10月16日に第20回共産党大会を開催する旨を発表した。5年に1度の大舞台であるだけでなく、習近平総書記(以下敬称略)が、従来の慣例を破り、3期目突入をもくろんでいる中で迎えるだけあり、歴史的な党大会になることは間違いない。

ナンシー・ペロシ米下院議長による台湾訪問、およびそれに対する報復措置として中国軍が前代未聞の規模で実施した軍事演習は、米中関係、台湾海峡、東アジアの平和と繁栄に不確定要素を一層増大させる事態を引き起こした。一連の事態が中国による台湾への武力侵攻、それに伴う米中間の軍事衝突に発展することはなかったが、台湾海峡を巡る不安定な動向は続いている。台湾海峡における緊張度は新たな段階に入った、とみるべきである。

先週、米中関係に三度緊張が走った。8月2日夜から3日夕方にかけて、ナンシー・ペロシ米下院議長がアジア歴訪(シンガポール、マレーシア、韓国、日本)中に台湾を電撃訪問したのである。

7月15日、中国国家統計局が発表した経済統計の各種結果には衝撃的な数値が並んだ。第2四半期の実質GDP成長率は前年同期比0.4%増。第1四半期から低迷し、22年の目標「5.5%前後」に大きくビハインドとなった。経済状況が悪化すれば、政治への影響も免れない。そうした中、中国政治の命運を握るのは、「ゼロコロナ」策の行方である。

香港の中国返還25周年記念式典に出席した習近平。コロナ禍後、初めて中国本土を出ることになった。習近平は5年前の20周年式典にも出席し、談話を発表しているが、今回の談話は5年前のものとは大きく変化していた。そこから分かる、習近平にとっての「今の香港」とは。

「今秋に行われる第20回党大会で、習近平が“党主席”のポストを復活させる」――。こんな言説がまことしやかにささやかれている。党主席とは「中国共産党中央委員会主席」の略称で、中国建国の父である毛沢東が就いていた党の最高職だ。果たして、習近平は本当に党主席を復活させるのか。そうだとすれば、そこにはどんな意義があるのだろうか。三つの論点から検証してみたい。

上海で2カ月以上にわたって実施されたロックダウン(都市封鎖)は、中国経済に大きな打撃を与えた。4月、5月の主要経済指標は軒並み低迷。中国の経済政策を主導する李克強国務院総理にとって6月は、経済回復に向けた「勝負の時」となる。一方で経済回復の最大のリスクとなり得るのが、習近平お墨付きの「ゼロコロナ政策」だ。そうした中、二人の対立や「李克強の習近平超え」を指摘する説も浮上している。その真相とは。

5月23日、日米首脳会談後の合同記者会見に臨んだジョー・バイデン米大統領は、「台湾防衛のために軍事的に関与する用意があるか」という質問に対し、「イエス」と発言したことが国際社会から注目を集めた。中国の外交関係者は発言を想定内とみるが、中国の対米不信は募るばかりだ。こうした中、中国は着実かつ迅速にアジア太平洋地域での「勢力範囲拡大」を実行しつつある。

ウクライナとゼロコロナ――。半年後に第20回党大会を控える中国・習近平政権にとって、政権の権力基盤を脅かし得る「2大不安要素」である。国内の経済動向だけでなく、複雑な地政学情勢にも波及する深刻な問題だ。具体的にどのようなリスクが浮上しているのか、それぞれ注目すべきポイントを見ていこう。

ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンなどを背景に、中国経済が低迷している。4月18日に発表された22年第1四半期のGDP成長率は実質4.8%増と、通年目標を下回った。こうした経済情勢は、秋に控える党大会の行方にも影響を与えかねない。5年に一度の党大会は、中国の今後を左右する重大なイベントとなる。今回は、そんな党大会に向けて注目すべき「5つのポイント」を解説する。
