2020.12.31 メキシコの実態経済は低迷脱出のめど立たず、金融市場の期待は現実的か バイデン新政権誕生による米国からの圧力緩和、原油価格上昇などでメキシコの通貨と株価は上昇し、金融市場からの期待は高まっている。しかし、上向かぬ家計心理、落ち着く気配のないインフレ、高止まりの失業率などメキシコ経済は依然浮上しておら…
2020.12.25 脆弱新興5カ国「フラジャイルファイブ」で21年にトルコが要注意な理由 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部主席エコノミストである西濵徹氏に2021年の新興国経済の先行きについて予想してもらった。新型コロナウイルスの感染状況が大きく左右する状況は2021年も変わらないが、世界貿易の底入れ、ドル安を背景とし…
2020.12.1 インドネシアで進まぬコロナ抑制、内需低迷で国是の「寛容さ」にも変化 インドネシアでは依然として新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。輸出は立ち直りの気配が見えるものの、消費など内需は冷え込んでいる。金融・財政政策を総動員し、外国からの投資を促進する法案を成立させるなど景気対策を講じている。一方…
2020.10.30 トルコを襲うドル安基調下のリラ安、地政学リスクと米大統領選が命運握る トルコリラの下落が止まらない。ドル安基調が続く中でその弱さは際立つ。周辺地域での地政学リスクの高まりが重しになっている。米大統領選挙でバイデン氏が勝利すれば対米関係が一層悪化する懸念もあり、先行きの悪材料となっている。年初からの下…
2020.9.29 南アフリカ、コロナ感染の最悪期は過ぎるも景気回復の見通し立たず 新型コロナウイルス感染拡大のピークは過ぎたと思われる南アフリカ。経済活動も再開され、企業心理も急速に改善している。しかし、雇用関連指標は低空飛行のままで、家計の心理は上向かない。景気回復の足取りは重く、通貨ランドは上値を追えない状…
2020.9.3 ロシアの正念場、コロナ禍ピークアウトで経済再開も歯止めかからぬ通貨安 ロシアでは、新型コロナウイルスの新規感染者数がピークをつけ、経済活動への制限も徐々に解除されつつある。延期されていた対ドイツ戦勝イベント、憲法改正の国民投票など国威発揚を意図したイベントも相次いで実施された。経済に明るい兆しが差し…
2020.8.3 豪州の景気拡大局面は終了へ、森林火災に新型コロナがダメ押し 29年にわたる世界最長の景気拡大を続けてきた豪州経済。その拡大局面が終わりを告げそうだ。大規模な森林火災でダメージを受けていたところに、折からの新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停滞がダメ押しとなった。いったんは収まったかに見…
2020.6.30 コロナ激震地となったインド、経済失速・通貨安・対中衝突の内憂外患 インドが内憂外観に直面している。年初から鈍化傾向にあった景気は、新型コロナウイルスの感染拡大で減速に拍車がかかっている。モディ政権は、経済活動正常化と感染封じ込めの両立を狙うが、感染収束の見通しは立たない。双子の赤字は依然解消され…
2020.5.27 コロナ軽視の大統領が招くブラジル危機、経済低迷にレアル安と懸念山積 ブラジルでは、新型コロナウイルスの感染拡大に拍車がかかっている。ボウソナロ大統領と各州との対立もあり、収束の見通しは立たず累計の感染者数は30万人を、死亡者数も2万人を上回り、折からの景気低迷に拍車がかかっている。景気回復も見通せず…
2020.4.28 韓国総選挙、コロナ対応が評価され文政権勝利も経済には難問山積 韓国の総選挙は文在寅政権与党の大勝という結果に終わった。新型コロナウイルスへの対応が評価されたためだ。これまで国会においては少数与党であったが、今後は政権の政策を実行に移しやすくなる。とはいえ、コロナ抑制や世界経済減速により同国経…
2020.3.17 マレーシア経済は政争とコロナ禍で減速に拍車、通貨も株価も下落 マハティール氏の首相辞任後、与野党の政争が続くマレーシア。その落ち着く先は依然見えない。足元では、コロナ禍の影響もあり、経済減速に拍車がかかっている。通貨リンギ、株価も下落している。
2020.3.5 新型コロナによる中国冷え込みで大揺れ、タイ経済の「耐久力」は? 近年、中国を中心とするアジア新興国ではグローバル化の進展に併せる形で網の目のようにサプライチェーンが構築されている。中国の高成長も追い風に各国の経済成長が促される好循環がみられたものの、足元では一転してそうした状況がリスク要因とな…
2020.1.31 台湾民進党勝利のもう1つの理由、米中摩擦の背後で意外に底堅い経済 台湾の総統選挙は民進党の蔡英文氏が勝利し、同時に実施された立法委員選挙においても民進党が過半数を確保した。中国に対する対決姿勢が勝利の要因とされることが多いが、実は台湾経済が底堅さを見せ始めたことも理由の1つである。
2020.1.6 新興国経済は2020年も「綱渡り」か、鍵握る国際金融市場とトランプの動き グローバル化による世界的なサプライチェーンを背景に成長してきた新興国経済。しかし世界貿易を見ると18年末をピークに頭打ちとなり、足下では前年を下回る水準で推移するなど弱含みで、世界経済の足を引っ張っている。経済成長を享受してきた新興…
2019.12.27 依存する中国経済が失速も、足を引っ張られないニュージーランドの底力 昨年来の米中摩擦の激化などを背景に中国の景気減速が継続するなか、最近の世界経済においては、中国経済に対する依存度の高い国を中心に玉突き的に景気の足が引っ張られる状況が続いている。
2019.11.27 インド洋のパワーバランスを大きく変える、スリランカ大統領選の結果 南アジアのスリランカでは、今月16日に5年に一度の大統領選挙が実施された。同国では1980年代から約30年にわたる内戦が続いてきた。2005年の大統領選を経て誕生したマヒンダ・ラジャパクサ元政権は、中国やスリランカなどによる大規模な軍事支援を…
2019.10.25 「南米の優等生」チリで非常事態宣言、治安悪化の背景にある経済問題 南米のチリでは、今月に入って以降に首都サンティアゴで学生デモが発生して一部が暴徒化した結果、ピニェラ政権がサンティアゴ周辺に非常事態宣言を発令する異常事態となっている。昨年来の国際金融市場の動揺などに伴い通貨ペソ相場が下落し、輸入…
2019.9.27 豪州の28年間続く景気拡大が岐路に、今後を左右する不動産価格動向 豪州経済は1991年半ば以降、2四半期連続でマイナス成長となる景気後退局面(リセッション)に陥ることのない状況が続いている。今年4~6月まででその期間は112四半期に達し、「世界最長記録」を更新し続けている。
2019.8.26 大統領選を前に瓦解するアルゼンチン・マクリ政権 アルゼンチンは、過去100年のうちに6回も債務不履行(デフォルト)に陥るなど「常連国」である。直近2001年から02年にかけて発生したデフォルトについては、主要債権者との係争状態が長期化したことに加え、その後に誕生したキルチネル、(クリステ…
2019.7.30 ベトナムは米中摩擦の「漁夫の利」を得続けられるか アジア新興国の多くは中国中心のサプライチェーンに組み込まれてきたため、米中貿易摩擦による輸出の鈍化が景気の足を引っ張る動きが顕在化している。その一方、ベトナムについては元々、近年中国国内から生産拠点を移す動きがみられる中、米中摩擦…