2021.11.19
ロシアで進むインフレと金利上昇、停滞するワクチン接種
ロシアはいち早く、新型コロナウイルスのワクチンを開発したものの、その接種率は4割程度にとどまる。9月以降感染が再拡大、“非労働日”が設定されるなど行動制限が実施された。そうした不安定さが残るなか、エネルギー価格上昇によるインフレ加速…
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト
にしはま・とおる/2001年一橋大学経済学部卒。同年国際協力銀行(JBIC)入行、ODA部門(現・国際協力機構[JICA])の予算折衝や資金管理、アジア向け円借款の案件形成・審査・監理、アジア・東欧・アフリカ地域のソブリンリスク審査業務を担当。2008年第一生命経済研究所入社。主任エコノミストを経て2015年4月より現職。担当はアジアをはじめとする新興国のマクロ経済及び政治情勢分析。著書に『ASEANは日本経済をどう変えるのか』。
2021.11.19
ロシアはいち早く、新型コロナウイルスのワクチンを開発したものの、その接種率は4割程度にとどまる。9月以降感染が再拡大、“非労働日”が設定されるなど行動制限が実施された。そうした不安定さが残るなか、エネルギー価格上昇によるインフレ加速…
2021.10.15
新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るったインドだが、足元で感染状況は落ち着きつつある。今年4~6月期のGDPは、前年同期比では2割の増加となった。しかし、原油高、ルピー安から来るインフレ懸念、石炭が十分に確保できないことによる電力不足…
2021.9.17
トルコ経済が堅調に推移している。新型コロナウイルスの感染は収束していないが、ワクチンの完全接種率は4割を超えた。政府や中央銀行の政策総動員やマイナスに転じた実質金利が景気浮揚をもたらす。景気の強さゆえに、目標を大きく上回っているイ…
2021.8.26
デルタ株による新型コロナウイルスの感染再拡大が続く中、スリランカ中央銀行は利上げに踏み切った。通貨ルピー安を背景とした輸入物価上昇によるインフレ懸念や資金流出がその原因である。外貨準備も十分でなく経済の先行きに不透明感が強い。
2021.7.29
タイで新型コロナウイルスの感染が再拡大している。感染力の強いデルタ株が猛威を振るっている。いったん緩和していた各種の規制も再び強化された。経済活動の低迷、それに伴う通貨バーツ安は、現地に進出している日本企業に悪影響を及ぼす。タイで…
2021.6.18
マレーシアが新型コロナウイルスの感染拡大に苦しんでいる。いったんは縮小し、実質GDPもコロナ禍の水準をほぼ回復してきた。しかし、5月以降、変異株によって再拡大し、先行きに暗雲が垂れ込める。非常事態宣言が発令され、経済活動が制限されるな…
2021.5.14
新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るうインド。感染は再拡大し、前回のピークを大きく上回る。財政金融政策総動員もあり、年明けまで急回復を見せていた経済にも急ブレーキがかかる。通貨ルピーは下落しており、輸入物価上昇からくるインフレ圧…
2021.4.12
ブラジルでは変異株の発生もあり、新型コロナウイルスの感染が再拡大している。ただ、政府が景気浮揚のために財政政策を積極的に発動してきたこともあり、景気は底打ちの動きを見せつつある。ただ、22年の大統領選挙を控え、景気回復を急ぎたいボル…
2021.3.12
オーストラリアは新型コロナウイルスの感染抑制の優等生。ワクチン接種も進展し始めた。2020年は29年ぶりのマイナス成長となったが、足元の景気は国際商品市況の回復、財政・金融政策の総動員もありV字回復の様相を見せている。景気回復期待から長…
2021.2.15
新型コロナウイルス感染抑制に成功した台湾。世界の貿易量の減少などで20年前半はマイナス成長に陥ったが、後半からは回復。20年の成長率は2.98%と19年を若干ながらも上回った。世界的な半導体不足を武器にワクチン確保も進めつつある。21年は20年…
2021.1.29
マレーシアでも年明け以降新型コロナウイルスの感染は急拡大している。緊急事態宣言が発令され、UMNO(統一マレー国民組織)とムヒディン政権との政争は一時停戦となった。時間を稼げる間に、感染を収束させ経済の立て直しを図れるのか。ムヒディン…
2020.12.31
バイデン新政権誕生による米国からの圧力緩和、原油価格上昇などでメキシコの通貨と株価は上昇し、金融市場からの期待は高まっている。しかし、上向かぬ家計心理、落ち着く気配のないインフレ、高止まりの失業率などメキシコ経済は依然浮上しておら…
2020.12.25
第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部主席エコノミストである西濵徹氏に2021年の新興国経済の先行きについて予想してもらった。新型コロナウイルスの感染状況が大きく左右する状況は2021年も変わらないが、世界貿易の底入れ、ドル安を背景とし…
2020.12.1
インドネシアでは依然として新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。輸出は立ち直りの気配が見えるものの、消費など内需は冷え込んでいる。金融・財政政策を総動員し、外国からの投資を促進する法案を成立させるなど景気対策を講じている。一方…
2020.10.30
トルコリラの下落が止まらない。ドル安基調が続く中でその弱さは際立つ。周辺地域での地政学リスクの高まりが重しになっている。米大統領選挙でバイデン氏が勝利すれば対米関係が一層悪化する懸念もあり、先行きの悪材料となっている。年初からの下…
2020.9.29
新型コロナウイルス感染拡大のピークは過ぎたと思われる南アフリカ。経済活動も再開され、企業心理も急速に改善している。しかし、雇用関連指標は低空飛行のままで、家計の心理は上向かない。景気回復の足取りは重く、通貨ランドは上値を追えない状…
2020.9.3
ロシアでは、新型コロナウイルスの新規感染者数がピークをつけ、経済活動への制限も徐々に解除されつつある。延期されていた対ドイツ戦勝イベント、憲法改正の国民投票など国威発揚を意図したイベントも相次いで実施された。経済に明るい兆しが差し…
2020.8.3
29年にわたる世界最長の景気拡大を続けてきた豪州経済。その拡大局面が終わりを告げそうだ。大規模な森林火災でダメージを受けていたところに、折からの新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停滞がダメ押しとなった。いったんは収まったかに見…
2020.6.30
インドが内憂外観に直面している。年初から鈍化傾向にあった景気は、新型コロナウイルスの感染拡大で減速に拍車がかかっている。モディ政権は、経済活動正常化と感染封じ込めの両立を狙うが、感染収束の見通しは立たない。双子の赤字は依然解消され…
2020.5.27
ブラジルでは、新型コロナウイルスの感染拡大に拍車がかかっている。ボウソナロ大統領と各州との対立もあり、収束の見通しは立たず累計の感染者数は30万人を、死亡者数も2万人を上回り、折からの景気低迷に拍車がかかっている。景気回復も見通せず…
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