藤江直人
中東カタールで開催中のW杯で、日本代表が痛恨の黒星を喫した。11月27日に行われたコスタリカ代表とのグループEの第2戦で0-1と敗れ、強豪ドイツ代表から世紀の大金星を奪った初戦に続く連勝を逃した。初戦でスペイン代表に0-7で大敗したコスタリカに、なぜ苦杯をなめさせられたのか。決勝トーナメント進出がかかる日本時間2日未明のスペインとの最終戦へ、どのような覚悟と決意で臨めばいいのかを、日本の選手たちが残した言葉から追った。

日本代表が世界を驚かせた。中東カタールで開催中のサッカーW杯のグループステージ初戦で、4度の優勝を誇る強豪ドイツ代表を2-1で撃破する世紀の大番狂わせを演じてみせた。前半を0-1で折り返すも後半からシステムを変え、攻撃的な選手を次々と投入した森保一監督の積極的な采配で試合の流れが一変。逆転に成功した日本は27日のコスタリカ代表との第2戦でも勝てば、同日のスペイン対ドイツの結果次第で決勝トーナメント進出が決まる。

中東カタールで開催されているサッカーのW杯で、日本代表が23日午後4時(日本時間同10時)から、4度の優勝を誇る強敵ドイツ代表とのグループステージ初戦に臨む。ドーハ市内で調整中の日本チームは代表専属シェフを務めて19年目になる、西芳照さんが腕を振るう勝負メシでさらなるパワーを付けて勝利を目指す。その勝負メシにはルーティーンがあるという。その中身とは?

26年間に及ぶ現役に終止符を打った希代の司令塔、中村俊輔が10日に横浜市内のホテルで引退会見に臨んだ。冒頭で「明るく、楽しい時間にしたい」と自ら宣言したように、完全燃焼した俊輔に涙はなかった。その中でちょっとした驚きを伴ったのは、最も印象に残った試合として横浜F・マリノス時代の黒星を挙げた点だ。理由には俊輔が貫き通した人生訓と、カタールW杯を控える森保ジャパン、そして未来を担うホープたちへの熱いエールが凝縮されている。

4年に一度のサッカー界最大の祭典、W杯の開幕が直前に迫りながらほとんど盛り上がりを見せない状況で、Jリーガーで構成される国内組の代表選手が11月9日に開催国の中東カタールへ飛び立った。週明けからはヨーロッパ組が順次合流し、23日のドイツ代表とのグループリーグ初戦へ向けて本格的に始動する。過去の大会のような熱狂ぶりが見られない要因と、実は高く跳び上がるための陣容は整いつつあり、必要なのはきっかけだけという舞台裏を探った。

数え切れないほどの記憶と記録を残して、左足の名手、中村俊輔がスパイクを脱いだ。26年間に及んだ現役生活でいくつもの目標を設定し、一つずつ成就させてキャリアを紡いできた44歳の元日本代表MFは「ビッグクラブとワールドカップで活躍するのはかなえられなかった」と振り返る。それでも常に前を向かせ続けた、結果よりも過程を大事にしてきたポジティブ思考は、指導者が中心にすえられたセカンドキャリアでも俊輔のなかで力強く脈打っていく。

京セラの創業者、稲盛和夫名誉会長が2022年8月24日に亡くなった。KDDIの創業にも携わり、会長として再建を引き受けた日本航空を3年足らずで再上場させた「経営の神様」は、実はサッカー界にも大きな足跡を残している。京都サンガF.C.の会長および名誉会長を務めた稲盛氏が、文武両道を世界レベルで極めたアスリートの育成を目指して発足に尽力した、他のJクラブとは明らかに一線を画す「スカラーアスリートプロジェクト」の全容を追った。

8月に日本で集中開催されたノックアウトステージを勝ち抜いた浦和レッズが、東地区の勝者となった今シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)。西地区の勝者と対戦する来年2月の決勝で、現行制度で最多となる3度目の優勝を目指す浦和は、同時に大きな収穫も手にしている。日本円にして最低でも4億円近い収入をすでに確定させているACLの賞金体制と、浦和を含めたJクラブの経営に与えるプラス効果を追った。

新型コロナウイルス禍で禁止されている声出し応援を一部サポーターが繰り返したとして、Jリーグが浦和レッズに科した歴代最高額タイの2000万円の制裁金が大きな注目を集めた。現状に不平不満を募らせる一部サポーターを管理できなかったクラブの運営責任を問われたもので、今後も繰り返された場合にはさらに重い制裁、具体的には無観客試合や勝ち点減に移る可能性があるとも警告された。浦和へ厳罰が科された背景と2000万円の多寡に追った。

今シーズンから55歳のレジェンド、FW三浦知良が所属する日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズに前例のない厳罰が下された。来シーズンのJ3昇格への必須条件となる「Jリーグ百年構想クラブ」資格が、6月28日のJリーグ理事会で剥奪されたのだ。元幹部による過去の八百長行為指示の代償として鈴鹿の目標が消滅し、結果的にカズのブランド力も傷つけられてしまった。この背景を、鈴鹿とJリーグの双方が見せてきた言動から探った。

カタールワールドカップ開幕を5カ月後に控えた森保ジャパンで、致命的ともいえる問題が露呈した。惨敗を喫したチュニジア戦後、FW三笘薫が「チームとして決まり事のようなものを持たないといけない」と明言した。就任から4年がたとうとしている森保一監督のもと、特に攻撃面で共通認識が設けられていない現実を前にして、日本代表は何をすべきなのか。

2002年ワールドカップ日韓共催大会以来、サッカーブラジル代表が20年ぶりに来日した。改修後の国立競技場で日本代表と対戦した6月6日の国際親善試合は、1-0で“サッカー王国”ブラジルに軍配が上がった。約4年7カ月ぶりの対決を実現させるために、日本サッカー協会(JFA)が3億円もの出場料をブラジルサッカー連盟(CBF)へ支払ったとされるこの一戦。森保ジャパンが得た収穫や課題と、カタールワールドカップへ向けた強化試合を巡る世界のマッチメーク事情を追った。

日本サッカー界で前例のない快挙が達成された。アジア各国の強豪クラブが頂点を競うAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、山下良美主審、坊薗真琴、手代木直美両副審で構成される女性審判員チームが初めて試合を担当した。特に36歳の山下さんはACLだけでなく、30年目を迎えたJリーグの公式戦でも初めて主審を務めた実績を持っている。男子のトップレベルの試合を裁く女性主審のパイオニアを歩む、山下さんのキャリアと素顔を追った。

シーズン序盤のプロ野球で、ロッテの3年目右腕、20歳の佐々木朗希が世界を驚かせる快投を続けている。4月10日のオリックス戦で完全試合を史上最年少で達成した佐々木は、続く17日の日本ハム戦でも8回までパーフェクトピッチングを継続。球数が100を超え、疲労を懸念した井口資仁監督が将来を見据えて決断した交代には賛否両論が巻き起こった。高校時代から注目されてきた「令和の怪物」は野球界の「至宝」へ一気に昇華を遂げ、無双のオーラをも身にまといながら、次回登板予定となる24日のオリックス戦に臨む。

今シーズンから55歳のレジェンド、FW三浦知良がプレーしている日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズで、前代未聞の不祥事が発覚した。2年前のリーグ戦で試合結果を操作する、いわゆる八百長が指示されていたと最上部団体の日本サッカー協会(JFA)が認定したのだ。チームの反発で未遂に終わったものの、J1から数えて“4部”に当たるJFLの舞台で何が起こっていたのか。サッカーを含めたスポーツ界への信頼を失墜させかねない、鈴鹿の愚行の背景を追った。

森保ジャパンが苦しみながらも、7大会連続7度目のワールドカップ出場を決めた。今秋に中東カタールで開催される本大会への楽しみが増してくるなかで、素朴な疑問も浮かんでくる。選手たちは日本サッカー協会(JFA)から報酬を得ているのか。日本代表チームを巡る“お金”の事情を探った。

日本サッカー協会(JFA)が下した決断が、驚きを持って受け止められている。長年の悲願をかなえる形で、2003年に購入した東京都文京区内の自社ビル「JFAハウス」を売却するというのだ。JFAだけでなくJリーグなども事務局を構える本丸を、なぜこのタイミングで手放さなければいけないのか。背景を探っていくと、長引くコロナ禍で大幅な収入減と赤字増を余儀なくされているJFAの懐事情が見えてくる。

北京五輪で、大会最終日の20日に最後のメダリストとなったのは、カーリング女子代表ロコ・ソラーレ。残念ながら金メダルには手が届かなかったが、前回平昌五輪の銅を上回るカーリング史上最高の銀メダルを獲得。各選手の個性がチームとして機能したことが、この快挙の原動力となっていた。銀メダル獲得までの軌跡を追った。

序盤で大きくつまずいたワールドカップ・アジア最終予選で、日本代表が年をまたいで破竹の5連勝をマークし、今秋に中東カタールで開催される本大会出場へ王手をかけた。精彩を欠いた戦いぶりでファン・サポーターを不安にさせたチームは、何がどのように変わっているのか。中国、サウジアラビア両代表をともに2-0で下した今回のシリーズから、森保ジャパンという組織の現状を追った。

オミクロン株が猛威を振るう中で、今秋に中東カタールで開催されるサッカーのワールドカップ出場を懸けたアジア最終予選が、埼玉スタジアムで予定通りに開催されている。その背景を、Jリーグのクラブから招集された国内組だけに課された隔離義務や、その期間を巡る是非とともに追った。
