岡田 悟
CASE5
小売り大手のイオンはドラッグストア業界のトップ2に出資し、緩やかな連合体を形成してきた。ところが、非イオン系で1兆円企業が誕生する可能性が高まり、イオンの出方に注目が集まる。ただ、イオンが出資する大手2社はビジネスモデルが大きく異なり、統合するとしても容易ではない。

CASE4
コンビニエンスストアやスーパーに対して、ドラッグストアでは格安での食品販売が目立つ。それが可能なのは、医薬品や化粧品で非常に高い利益を稼ぎ、食品を客寄せのために割り切って薄利で販売しているからだ。

コンビニエンスストア業界の王者が鳴り物入りで始めたキャッシュレス決済サービス「セブンペイ」は、3カ月でお蔵入りに。

セブン&アイ・ホールディングスは8月1日、セブン-イレブンで使えるキャッシュレス決済サービス「7Pay」の9月末のサービス中止を発表した。7月1日の開始直後に不正利用が発覚。しかし、その原因は明確にならず、最終的な調査結果も公表しない。担当幹部の引責辞任はおろか処分すら実施せず、今後もキャッシュレス決済にチャレンジしたいと意気込んでいる。

ZOZOが2020年3月期第1四半期決算を発表。増収増益を達成したが、取扱商品高の伸びは大きく鈍化し、年間購入会員数は減少に転じた。ZOZOSUITの失敗による損失の影響は乗り越えたが、次なる成長の手段が見えない。

第16回
人手不足が大きな課題となっているコンビニエンスストア。ローソンの竹増貞信社長は、将来、電子タグ(RFID)の実用化が進めば、従業員の負担を大きく減らし、温かみのある接客により多くの時間をさけると話す。

所属するお笑い芸人が反社会的勢力から金銭を受け取った問題で、吉本興業の岡本昭彦社長が7月22日に記者会見し謝罪した。「全員をクビにする」といったパワハラ的な言動などへの釈明に終始したが、圧倒的な力関係の元に契約先の反発を抑え込んできた手法への批判は根強い。

セブン-イレブン店舗で利用できるキャッシュレスサービス「7Pay」の不正利用が発覚。サービス開始4日で運営会社幹部が謝罪した。ところが記者会見で、幹部の“ITオンチ”ぶりや当事者意識のなさが露呈。本業のコンビニ事業での成功体験から自前主義にこだわるあまり、IT人材が払底しているセブンの弱みが露わになった。

百貨店業界のトップは、営業と企画という百貨店の根幹を成す2部門を知り尽くした「ミスター百貨店」ともいえる人材が就いていた。だからこそ2000年代の再編を先導できた。だが今は、かつてのような人材がおらず、小粒だと評される。

24時間営業の是非をめぐり、大揺れのセブン&アイ・ホールディングス。中核子会社のセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)の社長を古屋一樹氏から永松文彦氏へと交代させて沈静化を図ろうとしているが、グループ内では勢力争いが繰り広げられている。

コンビニエンスストアでキャッシュレス決済の導入が進んでいる。ローソン傘下のローソン銀行は、キャッシュレス決済を導入した事業者や、決済サービスを提供する企業が負担している手数料を引き下げるための新規事業に、年内にも乗り出す方針だ。

ZOZOSUITのブームが業績に結び付かず、2019年3月期は初の減益決算となったZOZO。新たな成長戦略はどれも小粒で株価はさえず、株式を担保にした前澤氏の個人資産の在り方も注目される。

コンビニエンスストア加盟店オーナーの悲惨な実態が明らかになっているが、今後、オーナーの成り手がいるのだろうか。週刊ダイヤモンド編集部は業界の絶対王者・セブン-イレブン・ジャパンが実施するオーナー募集説明会での内容を独自に入手。その内容を公開するとともに、検証していきたい。

人手不足問題を受けて、コンビニエンスストア業界3位のローソンが強調するのは従来から加盟店支援に取り組んできたということ。『週刊ダイヤモンド』のインタビューに応じた竹増貞信社長は、ロイヤルティーの料率は下げないとしつつ、今後は複数店経営を奨励して加盟店の経営基盤を強化する考えを示した。

コンビニエンスストア業界2位のファミリーマートは6月から、一部エリアで深夜に閉店する時短実験を始める。週刊ダイヤモンドのインタビューに応じた澤田貴司社長は、24時間営業の継続を希望する加盟店が多いとしながらも、今後時短営業の希望が増えた場合は、物流面を見直す考えを示した。

24時間営業はもう限界――。コンビニの誕生から約40年。全国5.5万店、11兆円市場へと急成長を遂げた裏側で、現場を支える加盟店の負担はピークに達している。

4月に就任した最大手・セブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長が週刊ダイヤモンドのインタビューに応じた。24時間営業の是非など、共存共栄を謳って進めてきたビジネスモデルについて、現場の加盟店から不満の声が上がっている現状にどう応えるのか。話を聞いた。

実質的なクーデターによる社長交代を経て2年。三越伊勢丹ホールディングスは、前倒し達成できると説明してきた2020年3月期の350億円という営業利益の”中間目標”を引き下げた。前体制を批判して構造改革路線を掲げてきた杉江俊彦社長は果たして、有言実行のリーダーとなれるのだろうか。

株価下落、ツイッターの“炎上”にZOZO離れ――。1年前にバラ色の中期経営計画を発表したが、その後は逆風が続いたZOZO。3ヵ月ぶりに公の場に姿を見せた前澤友作社長が打ち出したのは、手堅く保守的な経営目標だった。

24時間営業問題がトップ交代へと発展したセブン-イレブン・ジャパン。親会社のセブン&アイ・ホールディングスの業績に目を向けると、課題事業の構造改革が進んでいないと分かる。コンビニ依存の収益構造が、24時間営業の見直しに二の足を踏ませている。
