浅島亮子
#6
世界的な脱炭素の動きをにらんで、三井物産や三菱商事は海外石炭火力発電事業の撤退・新規投資取りやめの方針を決めるなど、エネルギー部門の資産の入れ替えに着手している。それでは、石炭火力発電に比べればエコだが、それでも温暖化ガスを排出する「LNG火力発電」に未来はあるのか。水素や風力など再生可能エネルギー関連ビジネスへの本気度はどの程度のものなのか。商社の屋台骨を支えるエネルギー部門の幹部に将来戦略について聞いた。

#3
政府の方針どおりに2030年半ばに「脱ガソリン車」が実現するとしたならば、日本の自動車メーカー7社への影響はどうなるのか。先進国の車種全てをEV(電気自動車)100%に転換した場合の雇用・損益への影響を独自に試算した。EVシフトでトヨタ自動車が8700億円もの減益となるなど、極めて「シビアな結果」があぶり出された。

予告編
日本企業「脱炭素」待ったなしの大ピンチ!もはやビジネス参加の最低条件だ
脱炭素をクリアできない企業は、ビジネス参加の入場券さえ得られない――。環境負荷の低減が、企業の経営課題の「本丸」として据えられる「脱炭素時代」が到来した。コロナショック後、欧州で先行していたグリーンシフトの動きが中国や米国にも広がり、3000兆円を超える巨大マネーが環境関連分野でうごめいている。「ESG投資」が世界の潮流となり、主要国・グローバル企業は脱炭素の新たな技術・ビジネスモデルに投融資を呼び込もうとしのぎを削っているのだ。翻って、日本企業は完全に出遅れた。電動化シフトに遅れた自動車業界、温室効果ガスを大量に排出する鉄鋼・化学業界、再エネ促進が進まぬエネルギー業界――、世界の潮流から出遅れた日本企業の処方箋を模索する。

#12
日本の産業界を動かす慶應義塾大学と早稲田大学の出身者。その影響力はどちらが大きいのか。慶應・早稲田出身の上場企業535社の社長の経営力を徹底比較した。

#9
慶應義塾には他の私学にはない特徴がある。慶應OBなどで構成される「評議員会」が最高意思決定機関であることだ。評議員にはビジネス界の大物が名を連ね、大学職員は少数派だ。だが近年、評議員会の機能不全が塾員内部からも指摘されるようになっている。慶應三田会「奥の院」の実態を追った。

#60
2020年の年末に自動車業界に激震が走った。菅政権が「カーボンニュートラル」の方針を示したことを受けて、「ガソリン車をゼロにする」スケジュールが大幅に前倒しされたのだ。これまで成長産業だった自動車業界に、いよいよ逃げ場のない再編淘汰の波が押し寄せている。どの自動車メーカーが脱落候補なのか。

#58
2021年は首都圏エリアで緊急事態宣言が発出されるという波乱の幕開けとなった。新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の社会・経済・政治の秩序は激変した。地政学リスクの高まり、環境規制の厳格化、テクノロジーの破壊的革新――。「変数」が多く不透明な時代こそ、ビジネスマンにとって大胆な見立てと緻密な戦略は必須となる。その支えとなるべく、ダイヤモンド編集部の記者7人が「2021年の10大トピック」をする【記者座談会後編】。

#57
2021年は首都圏エリアで緊急事態宣言が発出されるという波乱の幕開けとなった。新型コロナウイルスの感染拡大により、世界の社会・経済・政治の秩序は激変した。地政学リスクの高まり、環境規制の厳格化、テクノロジーの破壊的革新――。「変数」が多く不透明な時代こそ、ビジネスマンにとって大胆な見立てと緻密な戦略は必須となる。その支えとなるべく、ダイヤモンド編集部の記者7人が「2021年の10大トピック」を解説する【記者座談会前編】。

#16
NTTグループにはびこる保守的なカルチャーを変革するために、澤田純・NTT社長は外部人材の登用を積極的に行う構えだ。その典型例が、元経済産業省幹部の柳瀬唯夫氏の抜てきだ。安倍晋三政権の首相補佐官時代に加計学園問題で脚光を浴びた人物を、敢えて登用した真意はどこにあるのだろうか。世間を騒がせた柳瀬氏本人にインタビューを敢行した。

#10
同じNTTグループといっても、主要企業5社に根付いているカルチャーは全く異なる。例えば、1993年に移動体通信部門が分社して発足したNTTドコモであれば、他のグループ企業にはない自由闊達なカルチャーがあり、独立心が旺盛な企業だ。就任したばかりの井伊基之・ドコモ新社長は、ドコモのカルチャーを動物に例えるならば……、なんと「ゴリラ」なのだという。その真意はどこにあるのか。グループ主要企業5社(NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTデータ)の“マル秘生態”をじっくり解説する。

#8
NTTの澤田純社長が就任して2年半。矢継ぎ早に大改革を進めてきた澤田政権も中盤戦に入る。有力な後継候補は3人。それぞれが重大なミッションを負っており、社長選抜の基準は実績重視となることは間違いない。澤田独裁政権の下、にわかに始まったNTT帝国の社長レースを実況中継する。

#7
世界の競合と伍して戦える企業体にする――。内弁慶からの脱却をもくろむNTTの澤田純社長だが、分割問題と戦ってきたNTTには市場競争には向かない独特のカルチャーが根強く残る。文化を変えるためには人事改革が欠かせない。まずは組織を壊すことから始めた澤田社長の改革は人事にも向かう。従来の「グループ企業序列」と「出世のルート」が激変することになりそうだ。激変しつつある「グループ企業序列」と「出世のルート」を解明した。

#3
2018年6月の就任以降、大ナタを振るい大胆な改革を進めてきた澤田純・NTT社長。社内に戦略チームを持つことなく、大きな意思決定を独断で行っている澤田社長はさながら独裁者である。剛腕経営者は、いかにしてNTTや国内ICT産業の沽券を取り戻そうとしているのか。澤田社長に、NTT復権の要諦と「GAFA対抗軸」を意識した将来戦略について聞いた。

NTT帝国復権を狙う独裁者・澤田社長の「華麗なる人脈」と「幹部登用術」
澤田純・NTT社長が就任した2018年6月以降、矢継ぎ早に大胆な手が打たれている。海外事業の再編や持ち株会社によるNTTドコモの完全子会社化など、グループが“再結集”する動きが加速しているのだ。長らく国内競争に安住し、独占排除としか向き合ってこなかったNTTがグローバルで太刀打ちできる企業体となるには大きな壁が立ちはだかっている。デジタル貧国の覇者、NTTの逆襲が始まった。

予告編
「大NTT」復権なるか、時価総額世界一から凋落したデジタル貧国の覇者
ついに、澤田純・NTT社長が動いた。グループの稼ぎ頭であるNTTドコモを完全子会社化し、本体に取り込んだのだ。1985年の民営化、99年の持ち株会社発足後も再編分割論議が繰り返されてきたNTTにとって、グループの再結集――、「大NTT」の復活は悲願ともいえる。だが、それを手放しで喜んでもいられる状況にはない。87年にNTTが時価総額世界一となったかつての栄光など見る影もなく、世界のICT競争から完全に取り残されてしまった。業界のプラットフォーマーの座を奪われたNTTこそ、日本をデジタル後進国へ導いた張本人なのである。グループ総力戦で復権を狙うNTTの「死闘」の模様をまとめた。

#10
自動車業界の「破壊的革新者」の名声をほしいままにしてきた米電気自動車(EV)メーカーのテスラが、2030年までに年間2000万台を生産する壮大な計画をぶち上げた。ダイヤモンド編集部では「10年後のテスラ」の財務を独自に試算し、テスラに迫る壁をあぶり出した。本稿では、テスラの大風呂敷計画の検証と、いや応なしにテスラの戦略に巻き込まれる旧来型自動車メーカーの葛藤を描く。

#8
菅政権の最大懸念事案ともいえる日産自動車の再建問題が暗礁に乗り上げている。巨額社債発行で資金繰りにめどを付けたはずが一難去ってまた一難、新たな火種がくすぶり始めている。世論の反発を浴びない「唯一の日産救済策」を講じる時に来ているのではないか。

三菱グループに「落ちこぼれ企業」続出、最強エリート集団の大ピンチ
国内最強のエリート集団、三菱グループが創業150周年の節目に緊急事態に陥っている。三菱「御三家」がそろって業績不振に陥ったことでグループの求心力は低下。三菱「財閥」は創業以来最大のピンチを迎えている。

#8
三菱商事出身の益子修・三菱自動車前会長が死去した。三菱自動車は2021年3月期に3600億円の巨額赤字に転落する見通しで、アライアンスを組む日産自動車や仏ルノーもそろって赤字に転落し、3社連合は崩壊の危機にある。三菱自の経営チームのまとめ役であり、3社連合の折衝役でもあった実力会長の喪失は痛手だ。三菱自の経営への関与度を強める三菱商事は、三菱自や自らの自動車事業の将来戦略のためにどのような手段を講じようとしているのか。三菱グループが描く自動車の将来シナリオを予測した。

#2
8月末、三菱自動車のトップに君臨していた益子修・元会長が死去した。出身母体の三菱商事と、アライアンスを組む日産自動車や仏ルノーとの“扇の要”の役割を果たしていた実力者の喪失は打撃だ。一方、三菱自の業績不振など自動車・モビリティグループが足を引っ張ったことで、三菱商事は2021年3月期に商社業界で利益首位の座を伊藤忠商事に明け渡す見通しだ。三菱商事は三菱自から出資を引き揚げることはないのか。一時は検討された三菱商事が日産へ資本参加する構想は消えてしまったのか。問題山積の自動車・モビリティグループを率いる三菱商事のキーマン、戸出巌・常務執行役員を直撃した。
