2022.7.19
インフレ放置か連鎖破綻か、西側が明け暮れたパワーゲーム失敗の代償
西側諸国の政府当局は、無理な選択を迫られている。巨大企業や国家でさえ連鎖破綻へと追い込むのか、それともインフレを野放し状態にしておくのか。
1961年アテネ生まれ。2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務め、EU から財政緊縮策を迫られるなか大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題となった。長年イギリス、オーストラリア、アメリカで経済学を教え、現在はアテネ大学で経済学教授を務めている。著書には本書の他に、EU経済の問題を指摘した『わたしたちを救う経済学』(Pヴァイン)や「史上最良の政治的回想録の1つ」(ガーディアン紙)と評された『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命』(明石書店)など、数々の世界的ベストセラーを持つ。2016年にはDiEM25(「欧州に民主主義を運動」2025)を共同で設立し、その理念を世界中に訴えている。
2022.7.19
西側諸国の政府当局は、無理な選択を迫られている。巨大企業や国家でさえ連鎖破綻へと追い込むのか、それともインフレを野放し状態にしておくのか。
2022.6.8
ヒトラーとの交渉を否定することは、進歩主義者たちの道徳的な責務でした。しかし今、「プーチンのロシア」に対する軍事的な最終勝利を目指し、交渉による即時講和を否定することは重大な過ちだと筆者は問題提起します。
2022.5.6
極右ポピュリストのルペン氏を破り再選を果たしたマクロン仏大統領ですが、「左でも右でもない」呪文を唱える中道派の政治家にありがちな落とし穴にはまっていそうです。
2022.4.14
ロシアのウクライナ侵攻後、西側はオリガルヒ(ロシア新興財閥)への制裁を強めています。しかし寡頭制を意味するギリシャ語にちなむオリガルヒは、ロシアだけの問題ではありません。
2022.3.18
気づかぬうちに、クラウドベースのシステムは私たちの選択を導く大きな力を獲得した。いや、導くというより、実質的に「命令する」力である。
2022.2.10
紙幣・硬貨流通20周年を迎えたユーロ。期待された域内のコンバージェンス(収れんや格差縮小)は促進されず、むしろダイバージェンス(かい離や格差拡大)の悪化をもたらす存在になってしまっている。背景には、そもそもの設計ミスがある。
2022.1.14
仮想現実空間「メタバース」に入れ込むフェイスブック創業者のザッカーバーグ氏。社名もメタに変更し、私たちに対して巨大な力を得ようとしている。2500年前のソクラテスの警告を今こそ思い起こすべきだと筆者は説く。
2021.12.14
コロナ危機を奇貨として、西側諸国は気候変動対策を加速できたはずだった。しかし欧米の指導層は、違う危機を誇張するあまり、その機会を逸してしまったのかもしれない。
2021.11.16
コロナ禍でのマネー膨張とインフレ懸念の高まりを受けて、各国中央銀行はどう動くべきなのか。ギリシャ元財務相の筆者は、量的緩和の継続と利上げをセットにした「サステイナブルな金融引き締め」を提唱します。
2021.10.12
米英豪の新たな安保枠組み「AUKUS(オーカス)」を巡るフランスの米国に対する報復行為は、しょせん茶番だったと筆者は振り返る。欧州の独立を犠牲にして欧州の支配階級が特権を享受している限り、欧州は米国から屈辱を受け続けるという。
2021.9.7
『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』の著者バルファキス元ギリシャ財務相による連載。今回のテーマは、名作SFドラマ「スタートレック」から読み解く米国社会の自己矛盾です。帝国主義と不干渉主義が混在し…
2021.8.10
中央銀行によるデジタル通貨発行は、銀行家や超富裕層の支配からマネーを解き放ち、「金のなる木」を人々や地球環境に奉仕させる良法だと筆者は指摘します。
2021.7.9
かつて封建主義が資本主義によって一掃されたように、今日の資本主義も「テクノロジー封建主義」という新たな経済様式によって覆されつつある。
2021.5.31
コロナ禍で積極財政が主流になる中、緊縮政策は時代遅れになったようにみえるが、それは錯覚だと筆者は言う。権力者が大衆に不人気の緊縮政策を好む背景には「隠された狙い」があると指摘する。
2021.2.9
トランプ氏が危険な大統領だった理由は、科学を偽装した経済学を悪用したからだと筆者は言う。そして、そのきっかけを与えたのは、バイデン新政権に名を連ねる経済専門家たちである。
2020.10.12
持てる者と持たざる者の格差が広がる主因は努力の差ではない。「富の再分配」のルール作りこそ急務であり、そのヒントは2人のルーズベルト大統領の功績にあると筆者は説く。
2020.9.9
今夏、ポスト資本主義経済の到来を告げる決定的瞬間が訪れた。コロナ不況下の株高だ。歴史上初めて金融資本家が実体経済に関心を示さなくなったと筆者は指摘する。
2020.8.12
コロナ危機克服に向けて巨額の復興基金案で合意した欧州連合(EU)。表向きは結束力の強化を示したように見えるが、筆者の見立ては真逆だ。特に心配なのは、EUとドイツ労働者の間に埋め込まれた致命的な対立の芽だという。
2020.7.14
コロナ禍を受けて、階級闘争が激化している。熾烈さが目立つのは米中だが、資本家による「無駄な搾取」と市民の「深い絶望」という意味で悲劇に陥るのは欧州だと筆者は説く。
2020.6.9
コロナ禍で一段と浮き彫りになった政治の寒々しい現実。2020年代の新たなファシストたちは権力を掌握するために政権に入る必要すらなくなりそうだと筆者は警鐘を鳴らす。
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