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今週の日本市場は、米国のCPIが予想を下回ったことで
利上げ観測が強まり「根がさハイテク株」を中心に買われる展開に
今週(5月13〜17日)の日経平均株価は上昇し、先週末比で558.27円(1.46%)高い3万8787.38円で終えました。
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米国で連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重要視している米・卸売物価指数(PPI)と米・消費者物価指数(CPI)の発表を控えていたことに加え、国内では日銀による早期の金融政策の正常化の観測が重荷となり、5月13日の日経平均株価は下落し、一時3万8000円を割り込む場面も見られました。
5月14日は、前日13日の米国市場で半導体株が買われた流れを引き継ぐ形から、東京市場においても指数寄与度の大きい「値がさハイテク株」が買われ、日経平均株価は反発しました。翌15日には一時3万8800円を回復する場面もありましたが、4月の米・CPIの発表を控えて終盤にかけて軟化し、続伸ながら小幅な上昇にとどまりました。
米国時間の5月15日には、前日に発表された米・CPIが予想を下回ったことで、FRBによる年後半の利下げ開始への期待が高まり、米国市場は半導体株を中心に買われました。これを受けた翌16日の東京市場も買い優勢の相場展開となり、日経平均株価は一時3万8949円まで上昇しました。
米国時間の5月16日のNYダウは、史上初めて4万ドルの大台に乗せましたが、その後、利益確定の売りに押されたことで下落。その流れから、翌17日の日経平均株価も4日ぶりに反落となりました。
来週は、5月22日のエヌビディアの決算発表に注目!
相対的に出遅れているハイテク株の上昇に期待が集まる
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万8300 ~ 3万9300円
来週(5月20〜24日)の日経平均株価は、5月22日発表のエヌビディア(NVDA)の決算を受けた米国のハイテク株の動向に影響されることになりそうです。
日経平均株価は、値動きの少ない膠着した相場展開が続いていますが、米・CPI通過後の上昇で25日・75日移動平均線を上回ってきました。5月22日のエヌビディアの決算までは積極的な売買が手控えられやすいと思われますが、決算通過後はアク抜け(悪材料の出尽くし)からの上昇が期待されます。
また、ソフトバンクグループ(9984)がAI半導体事業への参入を進めるなど、AI半導体銘柄への成長期待が高まっています。仮に、エヌビディアの決算がネガティブ視され、一時的にハイテク株に売りが広がったとしても、「悪材料出尽くし」の流れに向かう可能性があり、押し目狙いのスタンスになるでしょう。
【※関連記事はこちら!】
⇒「AI半導体」関連銘柄を紹介!「Chat GPT」の最新モデルや「エヌビディア」の株価高騰で注目の「AI半導体」は2027年に60兆円まで市場拡大が見込める成長分野!
相対的に出遅れが目立っているハイテク株への物色が強まることで、日経平均株価を押し上げる展開に期待したいところです。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
住石ホールディングスが+60.56%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキング1位の住石ホールディングス(1514)は、5月15日に筆頭株主である麻生との資本業務提携を発表したことが材料視されました。麻生の連結子会社となる予定で、安定的成長に向けた協業関係の構築に取り組むとしてストップ高を交えての上昇となりました。
値上がり率2位のコンヴァノ(6574)は、5月10日に2024年3月期の決算を発表。営業損益が800万円の赤字(前期は3600万円の赤字)と赤字幅が縮小したことが好感され、ストップ高を交えて上昇しました。
値上がり率3位はアイロムグループ (2372)。5月13日にマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる、ブラックストーン傘下のビー・エックス・ジェイ・ビー・ツー・ホールディングによる公開買い付け(TOB)が発表され、TOB価格(2800円)にサヤ寄せする形となりました。
一方、今週の値下がり率ランキングのトップはアルメディオ(7859)でした。5月14日に2025年3月期の連結営業利益が、前期比64.8%減の11億8000万円になる見込みだと発表。大幅な減益計画が嫌気され、ストップ安を交えて下落しました。
値下がり率2位のJTOWER(4485)は5月9日、2025年3月期の連結営業利益予想を4億5000万円(前期比46.2%減)にすると発表。これが嫌気され、5月10日にストップ安となりましたが、今週に入っても下落が続きました。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +60.56 | 住石ホールディングス(東S・1514) |
2 | +55.23 | コンヴァノ(東G・6574) |
3 | +50.38 | アイロムグループ (東P・2372) |
4 | +47.57 | エスライングループ本社(東S・9078) |
5 | +47.35 | 宮越ホールディングス(東P・6620) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −44.34 | アルメディオ(東S・7859) |
2 | −33.22 | JTOWER(東G・4485) |
3 | −29.99 | シリウスビジョン(東S・6276) |
4 | −29.56 | トライト(東G・9164) |
5 | −29.40 | レアジョブ(東S・6096) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 1,728,753,300 | NTT(東P・9432) |
2 | 818,421,300 | 音通(東S・7647) |
3 | 444,504,900 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(東P・8306) |
4 | 337,104,300 | ランド(東P・8918) |
5 | 221,856,600 | 東京電力ホールディングス(東P・9501) |
【来週の主要イベント】
FOMC議事要旨、米欧独のPMI、米・エヌビディア決算、
SOMPOホールディングス決算などに注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<5月20日(月)>
◆決算:SOMPOホールディングス(8630)、東京海上ホールディングス(8766)
◆独4月生産者物価指数(PPI)
<5月21日(火)>
◆欧3月経常収支
◆欧3月貿易収支
<5月22日(水)>
◆3月機械受注
◆4月貿易統計
◆英4月消費者物価指数(CPI)
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米4月中古住宅販売件数
◆米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
◆決算:エヌビディア(NVDA)
<5月23日(木)>
◆独5月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆独5月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧5月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧5月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米5月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米5月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米5月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米4月新築住宅販売件数
<5月24日(金)>
◆4月全国消費者物価指数(CPI)
◆英4月小売売上高
◆独1-3月期国内総生産(GDP)改定値
◆米4月耐久財受注
◆米5月ミシガン大学消費者態度指数確報値
【来週の注目銘柄】
「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」
「IDOM」「レーザーテック」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
IDOM(2024年5月17日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
卸売業 | 東P・7599 | 1328円 | 9.8倍 | 1.93倍 |
25日移動平均線の水準に到達したことで過熱感が和らぐ 中古車買取・販売の「ガリバー」を運営しています。2025年2月期の業績は、売上高が前期比8.7%増の4565億円、営業利益が同26.0%増の203億円を計画しており、今期の大幅増益見込みが好感されて4月15日にはストップ高まで買われる場面も見られました。その後は高値圏での保ち合いを続いていますが、直近では上向きで推移する25日移動平均線水準に到達したことで過熱感が和らぎました。2月からAIコンシェルジュを導入し、概算買い取り価格の自動案内を開始しており、顧客サービスの向上とオペレーター対応の効率化による業績への貢献が見込まれます。日柄調整が一巡したことで、再度、上昇の動きを見せることに期待したいところです。 |
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パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(2024年5月17日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
小売業 | 東P・7532 | 3835円 | 28.5倍 | 4.43倍 |
訪日外国人観光客の増加に伴って、免税売上が増加 ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を運営。2024年6月期・第3四半期の業績は、売上高が前年同期比7.6%増の1兆5673億7400万円、営業利益が同34.9%増の1102億6800万円でした。国内では、訪日外国人観光客の増加に伴う免税売上の増加やイベント需要の回復、プライベートブランドやOEM商品の伸長から増収増益でした。株価は決算で買われたものの、その後は戻り売りに押される形となり、長い陰線を残しました。ただ、75日移動平均線を下値支持線としたリバウンドから、陰線分の下落を吸収しており、3月の高値4122円が意識されます。 |
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レーザーテック(2024年5月17日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
電気機器 | 東P・6920 | 4万3170円 | 79.4倍 | 29.27倍 |
3月につけた高値更新からの一段の上昇に期待 半導体検査や計測装置が主力です。生成AI(人工知能)向けの先端半導体や電気自動車(EV)などで使用されるパワー半導体の需要が拡大し、検査装置の販売や保守サービスが堅調です。株価は、3月につけた高値近くでの推移が続いており、高値更新後の一段の上昇に期待が持てます。5月22日の米・エヌビディア(NVDA)の決算を受けた米国市場の動向を見極めたいとする模様眺めムードが強まる可能性はありますが、25日・75日移動平均線を下値支持線とした押し目買いを狙いたいところです。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
⇒「AI半導体」関連銘柄を紹介!「Chat GPT」の最新モデルや「エヌビディア」の株価高騰で注目の「AI半導体」は2027年に60兆円まで市場拡大が見込める成長分野!
⇒【5月の株主優待の内容&利回りを調査(2024年版)】配当+優待利回りが4.7%のタマホーム、買い物優待券がもらえるアスクル、サツドラなどの注目銘柄を紹介
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