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「Chat GPT」の最新モデル「GPT-4o」が高い評価を得る一方、
ソフトバンクグループは約15兆円規模の半導体ベンチャーの設立を計画
対話型AI「Chat GPT」の開発・運営を手がける米国企業「OPEN AI」は、5月13日に最新モデルとなる「GPT-4o」を公開しました。「GPT-4o」は従来モデルより大きく進化しており、人と同じ反応速度で会話をし、映像を認識したりすることが可能となっており、ネット上には実際に「GPT-4o」を使用した人の驚きと称賛の声が数多く上がっています。「GPT-4o」の登場により、AIは我々の生活に一段と広く、深く浸透していくことが予想できます。
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そんな状況のなか、ソフトバンクグループ(9984)の孫正義会長が掲げる「AI革命」がいよいよ動き出そうとしています。報道によると、孫氏の掲げるAI革命とは、AIや半導体、ロボティクスの最新技術を融合し、あらゆる産業に革新をもたらすことのようです。
このAI革命の中核となるのが、大量のデータを効率的に処理できるAI向け半導体の開発・製造事業で、孫氏は、米国の半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)に対抗して、AIサービスの開発に必要な半導体を供給する1000億ドル(約15兆円)規模の半導体ベンチャーを立ち上げると伝えられています。自社工場を持たず、半導体の製造を台湾積体電路製造(TSMC:TSM)などのファウンドリー(半導体受託生産会社)に委託するファブレス形式で参入する計画となっており、2025年春をめどに試作品を完成させ、同年秋までに量産体制を整えることを目指しているとのことです。
現在、エヌビディアがほぼ市場を独占する「AI半導体」は、
2027年には最大60兆円規模に市場が拡大!
ソフトバンクグループに限らず、米国のマイクロソフト(MSFT)やグーグルを運営するアルファベット(GOOG)などもAI分野に巨額の投資をしていますが、世界の大手企業がAI半導体事業に参入するのは、この分野で加速度的な市場拡大が見込まれるためです。2023年12月に米国の半導体メーカーのAMD(AMD)は、AI半導体市場は2023年から年率70%増の高成長が期待でき、2027年には最大4000億ドル(約60兆円)に拡大する可能性があると強気の見通しを示しています。
「AI半導体」とは、最近のAIが採用している深層学習(ディープラーニング)に必要な大量のデータ処理に適した半導体のことで、同時並行で大量の計算を実行する能力が求められます。現在、複数の計算を同時にこなすことが得意なGPU(画像処理半導体)がAI半導体の主流となっており、GPUを主力製品とするエヌビディアがAI半導体の市場をほぼ独占しています。
また、世界シェア6割を占める世界最大のファウンドリーのTSMCは、競合するインテル(INTC)などが技術開発を進めるのに対抗し、競争力の確保を狙う戦略を進めています。その一環として、TSMCは2024年4月、2025年に量産開始予定の次世代半導体「2ナノ品」と比較し、処理速度をさらに8〜10%高めた新型半導体「A16」を2026年から量産することを発表しました。
そこで今回は、こうしたグローバルな競争の加速を追い風に、今後、急速な成長が見込まれる「AI半導体」関連銘柄に注目。具体的には、「AI半導体」に関連する素材や検査装置などを手掛けている企業をピックアップしました。
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【ディスコ(6146)】
パワー半導体向けや生成AI関連の装置の出荷が本格化
ディスコ(6146)は、半導体に欠かせない材料であるウエハーをチップに切り分けるダイサー(切断装置)やウエハーを薄く削るグラインダ(研削装置)などを手掛けています。2024年3月期の業績を見ると、パワー半導体向けに加え、生成AI関連の装置の出荷が本格化したから、年間の出荷額と売上高がともに過去最高となりました。株価は、3月29日につけた高値5万7850円をピークにいったん調整を見せましたが、5月に入ってからのリバウンドで13週移動平均線を突破したことで、上昇トレンドへの転換が期待されます。
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【大阪有機化学工業(4187)】
高性能半導体に使われる「モノマー」で世界シェア首位
大阪有機化学工業(4187)は、高性能の半導体に使われる材料「モノマー」で世界シェア首位を誇ります。2024年11月期・第1四半期業績は、半導体材料で最先端のEUVレジスト用原料の販売が大幅に増加しました。株価は、4月17日につけた高値3485円をピークに調整していましたが、上向きで推移する13週移動平均線が下値支持線として機能しており、直近で同線からの上放れを見せてきました。再度の株価上昇を狙った押し目狙いのスタンスになります。
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【トリケミカル研究所(4369)】
世界最高レベルの「ウルトラファインケミカル」を製造・販売
トリケミカル研究所(4369)は、世界最高レベルの純度を誇る高付加価値化学薬品(ウルトラファインケミカル)を開発・製造・販売。主に半導体や光ファイバー、太陽電池といった最先端デバイスの製造用材料として用いられています。株価は、3月18日につけた高値5430円をピークに調整が続いていましたが、足元で26週移動平均線が下値支持線として機能してリバウンドの動きを見せており、このまま13週移動平均線の突破が期待できます。
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【ADEKA(4401)】
韓国で先端半導体向け新規材料の製造棟を新設
ADEKA(4401)は、世界シェアを誇る先端半導体メモリー向け高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズの増産と製品ラインナップ拡充のための積極的な設備投資を進めています。2024年2月には、次世代半導体向け新規材料の量産体制の構築を目的に、子会社のADEKAコリアに製造棟を新設することを発表しました。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成。5月14日発表の決算を受けて下落しましたが、13週移動平均線まで下げたことで押し目狙いの好機と言えるでしょう。
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【SUMCO(3436)】
AI向けのシリコンウエハーの強い需要が追い風に
SUMCO(3436)は、半導体用シリコンウエハーの製造・販売を行う専業メーカーです。海外売上高比率は約8割で、世界シェアの約3割を占めています。会社側の見通しでは、半導体需要は産業・自動車向けなどで調整が続くものの、AI向けの強い需要とパソコンやスマートフォン向け需要の回復により、全体としては緩やかな回復が続くと見ているようです。株価は、4月下旬に26週移動平均線まで調整する場面もありましたが、その後は13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを見せており、さらなる上昇が期待できます。
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【アドバンテスト(6857)】
AI用半導体向けの試験装置が伸びる見込み
アドバンテスト(6857)は、SoCやメモリーを主軸に、さまざまな品種の半導体や、テスト・ニーズに対応したテスト・ソリューションを提供。2025年3月期は、車載向けや民生機器向けが伸び悩む一方、生成AI用の半導体向け試験装置の出荷が伸びる計画です。株価は、2月16日につけた高値7456円をピークに下落が続いており、直近では52週移動平均線近くまで下落。弱いトレンドではあるものの52週移動平均線での底堅さが見られるため、ここからのリバウンドに期待したいところです。
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【シキノハイテック(6614)】
画像のAI処理向けの半導体設計用IPコアを開発
シキノハイテック(6614)は、産業用組み込みカメラや画像処理カメラのほか、半導体の後工程をメインとした各検査装置を提供しており、半導体検査・装置関連などの電子システム事業が売上の約5割を占めています。2022年には、画像のAI処理に必要とされる最小限の機能を持った半導体設計用IPコアを開発しました。株価は、ボトム圏での推移が続いていますが、今週の急落で2022年11月以来となる2000円割れを見せており、リバウンド狙いのタイミング待つスタンスとなります。
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以上、今回は「AI半導体」関連銘柄を発掘しました。
なお、当コラムでは、これまでに何度か切り口を変えながら「半導体」関連の銘柄を紹介してきました。以下にリンクを貼っておきますので、興味のある方はぜひ過去記事のほうもお読みください。
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