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欧州が2035年で内燃エンジン車の新車販売を禁止するなど、
世界中で従来のガソリン車からEVへの転換が加速!
多くの国で内燃エンジン車の販売禁止時期が議論され、EV(電気自動車)の普及が加速しています。世界の自動車市場の6割を占める米国、欧州、中国も、環境規制を強めています。
バイデン米大統領は2023年4月に開催された「バーチャル気候変動サミット」において、2030年までに二酸化炭素の排出量を2005年比で50~52%削減すると約束しました。また、米国の環境保護局も4月に、2032年までに二酸化炭素の排出量を2026年比で56%削減する規制案を発表しており、10年以内に新車販売の3台に2台がEVになる可能性があるようです。
一方、欧州は、2035年で内燃エンジン車の新車販売を禁止する法案の策定を進めています。二酸化炭素を実質的に排出しない「e-fuel(イーフュエル)」と呼ばれる合成燃料を使用する場合に限っては新車販売を認める方針ですが、事実上、内燃エンジン車の新車販売は禁止となる見通しです。
また、中国においても2035年をめどに新車販売のすべてを環境対応車にする方針を明らかにしています。
各国の内燃エンジン車への規制強化に対応するため、
自動車メーカーも「新型車はすべてEVに」などの方針を表明
内燃エンジン車からEVへの転換は、各自動車メーカーにおいても進んでいます。
2023年9月に日産自動車(7201)は、2030年までに欧州における乗用車のラインナップをすべてEVとする目標を発表しました。今後、欧州に投入される日産の新型車はすべてEVになるとのことです。また、11月には、英国でのEVの生産に30億ポンド(約5600億円)を投じ、3車種のEVを生産する計画を明らかにしました。
一方、トヨタ自動車(7203)は、BEV(バッテリー式EV)やHEV(ハイブリッド車)など、EV全体の開発・販売を強化する「全方位戦略」を踏襲する方針を示しています。具体的には、EVを2026年までに10車種、2030年までに30車種投入し、年間350万台の生産を目指すとのことです。
また、本田技研工業(7267)は「2030年までにグローバルでのEVの年間生産200万台超」という目標を掲げています。さらに、2040年までにEVとFCEV(燃料電池車)の販売比率をグローバルで100%にする計画です。同様に、三菱自動車(7211)も、2035年度にはEVの販売比率を100%とする目標を掲げています。
こうした流れから、今後10年も経たないうちに自動車市場は一変すると見られており、欧米と比較して出遅れていた日本でもEVの普及が加速することになることは間違いないでしょう。そこで今回は、改めて「EV」関連銘柄に注目しました。
具体的な銘柄としては、バッテリーや充電器、モーター、EV関連素材など、EVの生産に関わる事業を展開する銘柄をピックアップ。そのなかから、今回はデンソー(6902)やアイシン(7259)、ニデック(6594)などの主力銘柄を除外し、今後の大きな成長が期待できる中小型株を中心に選定しました。
【新電元工業(6844)】
EV用の普通充電器と急速充電器を手掛ける
新電元工業(6844)は、EV用の普通充電器と急速充電器をラインナップ。普通充電器「AC 30A充電器」では1時間の充電で約30km、急速充電器「350A充電器」では30分の充電で約270kmを走行できるだけの充電が可能です。また、EV用の非接触充電システムを開発中で、2017年9月には米国のワイトリシティ社と非接触電力伝送技術に関するライセンス契約を締結しています。株価は11月以降、リバウンド基調が続いており、直近で75日移動平均線を突破。200日移動平均線および3月の高値3900円が意識されます。
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【ジーエス・ユアサコーポレーション(6674)】
最大471億円の第三者割当増資でEV用電池事業に投資
ジーエス・ユアサコーポレーション(6674)は、自動車/バイク用バッテリーやEV用鉛蓄電池、航空・宇宙・海洋開発用リチウムイオン電池などを展開しています。足元でHEV(ハイブリッド車)用リチウムイオン電池の販売数量が増加しており、2024年3月期・第2四半期業績は、営業利益が前年同期比54.1%増の126億7400万円でした。11月20日に、本田技研工業を引受先とする最大471億円の第三者割当増資を発表。株式の希薄化への警戒から株価が急落しましたが、EV用電池向け新工場の設備増強といった成長投資のための増資なので、押し目買いのチャンスと言えるでしょう。
⇒ジーエス・ユアサコーポレーション(6674)の最新の株価はこちら!
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【日本触媒(4114)】
脱リチウム依存として「亜鉛2次電池」向け部材の量産を実施
日本触媒(4114)は11月26日、脱リチウム依存として2024年にも低コストで安全性の高い「亜鉛2次電池」向けの部材を量産すると日本経済新聞社に報じられました。記事によれば、主要部材のセパレーター(絶縁材)の生産能力を大幅に引き上げたようです。リチウムイオン電池の素材は中国などに頼っていることから調達リスクが課題となっており、次世代電池として亜鉛2次電池の普及が期待されています。株価は足元で調整を見せましたが、4月以降、3200~3600円辺りでのレンジで推移しており、レンジ上限からの上放れを想定した押し目狙いのスタンスになります。
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【明電舎(6508)】
三菱自動車の「i-MiEV」などEV用モーターで実績
明電舎(6508)は、発変電設備や太陽光発電、風力発電、スマートグリッド、EV用モーター・インバーター、自動車試験システムなど展開しています。EV用モーターでは、2009年に世界で初めて量産販売されたEVである三菱自動車工業の「i-MiEV(アイミーブ)」に採用された実績があります。また、モーター・ギアボックス一体型駆動ユニットなども手掛けています。株価は、10月30日の決算を受けてチャート上で窓を空けて急伸し、その後も緩やかな上昇トレンドが続いています。2021年11月の高値2795円や2021年1月の高値2927円辺りが意識されます。
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【NOK(7240)】
モーター冷却システム用シールなどを手掛ける
NOK(7240)は、効率的な放熱を実現した粘土状の熱伝導部材や熱伝導性ゴム、EV・PHEV用バッテリー周辺部位のシール、 モーター冷却システム用メカニカルシールなどを手掛けています。株価は、足元で下落が続いていますが、上向きで推移する200日移動平均線が下値支持線として機能しており、押し目狙いのスタンスで要注目です。
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【ADEKA(4401)】
EVに欠かせない車体軽量化に寄与する高性能核剤を製造
EVやHEVでは車体のより一層の軽量化が求められ、金属部品からプラスチック部品などへの代替が進んでいます。ADEKA(4401)は、バンパーやドアトリムなどのポリプロピレン製の自動車部材に添加することで、部材の剛性を高め、耐久性を改善する高性能核剤を手掛けています。自動車1台あたりのポリプロピレン使用量を約90キログラムとすると、ADEKAの製品を使用することで約9キログラムの軽量化につながるとのことです。株価は、52週移動平均線を下値支持線としたリバウンドから13週・26週移動平均線を突破し、直近で上場来高値を更新しました。現在も強い上昇トレンドが続いているため、押し目を狙いたいところです。
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以上、今回は「EV(電気自動車)」関連銘柄を発掘しました。
日本企業はEVに関しては後発のように見えますが、米国のテスラ(TSLA)や中国のBYDによって市場が整備されたことから、これからが高い技術力を持つ日本企業の活躍が期待されるところです。日本におけるEV・PHEVの新車販売比率は2023年9月時点で4%ほどですが、これがあと10年もすれば100%に迫ることになるので、今後の成長は大いに期待できるでしょう。
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