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4月から、いよいよ日本でも「ライドシェア」が解禁に!
最初は東京など一部地域で、タクシー会社が運用をスタート
一般のドライバーが乗客を乗せて走る「ライドシェア」が、2024年4月から国内の一部地域で解禁されました。具体的には、東京都や神奈川県、愛知県、京都府などの4区域で、曜日や時間帯を限定してライドシェアを実施できるようになり、4月上旬には早くもサービスが開始される見通しとなっています。さらに、5月以降には、新たに札幌市や大阪市、広島市にもなどにもライドシェアの導入区域が広がる予定です。
「ライドシェア」は日本語で「相乗り」を意味し、一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を送迎する新たな交通サービスです。日本では、いわゆる「白タク」行為として原則禁じられていますが、世界ではアメリカや中国、東南アジア各国を中心に広く普及しています。
2010年に米国でUber(UBER)やLyft(LYFT)が登場して以降、スマホ一つで手軽に車を呼んで移動できる便利さや、タクシーと比べたときの料金の割安さなどからライドシェアの市場規模は急速に拡大を続けており、2024年に1177億米ドル(約18兆円)、2032年までに4360億米ドル(約66兆円)に達すると見込まれています。
今月から日本で解禁されるのは、米国のUberのようなプラットフォーム企業がドライバーと乗客とのマッチングを担うスタイルではなく、タクシー会社の管理下で運行される条件付きの「日本版ライドシェア(自家用車活用事業)」と呼ばれるものです。サービスが提供されるのも、タクシーが不足する地域や時間帯に限定されています。
しかし、たとえ限定的なサービスであっても、本格的なライドシェア解禁に向けた大きな一歩と言えるでしょう。政府も、まずは限定的な解禁によって「日本版ライドシェア」の効果を検証し、6月をめどにタクシー以外の事業者の参入に関する新法の制定について議論を進める計画としています。今回の限定的な解禁は、タクシー業界内ではライドシェア解禁への反対論が非常に根強いため、そこに配意した形と考えられます。
「ライドシェア」は全国の深刻なタクシー不足のみならず、
公共交通機関が廃止された過疎地域にとっても問題解決の手段に!
ライドシェアが解禁となった背景には、深刻なタクシー不足があります。日本全国のタクシー運転手の数は減少傾向が続いており、2023年3月末時点でおよそ23万人と、コロナ禍前の2019年の約29万人から約2割も減少しています。その一方で、コロナ禍が明けてインバウンドが急回復した結果、タクシーの需要が急増しており、都市部や観光地などではタクシーがなかなかつかまらない状態が大きな問題になっています。そうした深刻なタクシー不足に悩まされている地域にとって、ライドシェアの解禁は問題解決の有力な手段となりうるでしょう。
また、過疎地域などにおける住民の足を確保するための手段として、自治体が運営主体となったライドシェアについても拡大の機運が高まっています。例えば、富山県朝日町では、2021年10月から「ノッカルあさひまち」という公共交通サービスが本格運用をスタートさせました。これは一般の住民ドライバーと外出予定の人をマッチングし、町の各地区と街の中心地との行き来を「相乗り」できるようにするサービスです。
少子高齢化や過疎化などによって公共交通機関が廃止・統合された地域や、運転手の担い手不足に苦しむ地域交通の課題を解決するために、ライドシェアは新たな交通手段となるのではないかと期待されています。4月のライドシェア解禁は、自治体が運営するライドシェアにとっても追い風となるでしょう。
そこで今回は「ライドシェア」関連の銘柄を紹介します。取り上げる銘柄ですが、4月から始まった「日本版ライドシェア」がタクシー会社の管理下でのスタートとなることから、まずはタクシー会社に注目。さらに、ライドシェアの運行システムやアプリなどを手掛けている企業や、そうした企業に出資している企業を選定しました。
【第一交通産業(9035)】
沖縄では5割弱が「ライドシェアに興味ある」と回答
第一交通産業(9035)は九州を中心に全国でタクシー会社を展開。 沖縄では、那覇バスや琉球バスの親会社として路線バスを運行しています。沖縄の交通情報配信サービスを提供する「オキジモ」が、2024年3月に沖縄県民を対象として実施したアンケート調査によると、回答者の47.3%がライドシェアのドライバーとして働くことに興味があると回答したとのことです。「日本版ライドシェア」はタクシー会社の管理下で運行されるため、今後、沖縄でライドシェアが解禁になった際には相乗効果が期待されます。株価は、800円台前半での押し目狙いのスタンスになりますが、流動性が低い銘柄なのでその点は注意しましょう。
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【ディー・エヌ・エー(2432)】
タクシーアプリ「GO」がライドシェア車両へのマッチングを開始
ディー・エヌ・エー(2432)は、タクシーアプリ「GO」を運営するGOに出資しています。「GO」は、これまでのタクシーに加え、4月中には一般のドライバーが運転する「日本版ライドシェア」の車両にもマッチングできるサービスを開始する予定です。なおGOは、正確な時期は未定ですが、IPO(新規上場)の準備を進めていることを発表しています。株価は、2月29日に1648.5円まで急伸した後に調整を見せましたが、足元で順調なリバウンドが続いており、200日移動平均線を突破。高値更新からの一段の上昇が期待されます。
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【JVCケンウッド(6632)】
配車システム「CABmee」がタクシーアプリ「DiDi」と連携
JVCケンウッド(6632)は、フルクラウド型のタクシー配車システム「CABmee」を展開。2023年12月には、タクシーアプリ「DiDi」との連携により、専用タブレット1台で配車の受注ができるシステムをはじめてタクシー車両に導入したことを発表しました。株価は、2月7日につけた安値631円を底値にリバウンドが継続。3月22日に一時966円まで買われた後、高値圏での保ち合いが続いていることから、押し目買い意欲は強そうです。
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【FIG(4392)】
クラウド型のタクシー配車システム「新視令forクラウド」を提供
FIG(4392)は、クラウド型のタクシー配車システム「新視令forクラウド」などのソリューションを提供しています。さらに、多様な決済手段に対応したマルチ決済端末や、LINEを活用した配車サービスなど、さまざまなDXサービスを手掛けています。株価は、3月21日にマドを空けて急伸し、3月26日には363円まで買われました。その後は過熱を冷ます調整を見せていましたが、25日移動平均線までの下落を経て4月4日には一時371円まで急騰。さらなる上昇が期待されます。
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【メルカリ(4385)】
出資先のnewmoが、2024年秋に大阪でライドシェア事業を開始
メルカリ(4385)は、「利用者視点に立ったサステナブルな地域交通の実現」を掲げて2024年1月に設立された新会社newmoに出資しています。newmoは、現在タクシー・ライドシェア事業の提供に向けて準備を進めており、2024年秋には大阪でライドシェア事業を開始。さらに、2025年度中には「全国主要地域での展開」や「タクシー車両3000台」の実現を目指しています。株価は2023年8月以降、下落トレンドが続いていますが、直近で2022年6月の安値1850円を割り込んでおり、底打ちからのリバウンドに期待したいところです。
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【JR西日本(9021)】
タクシー配車システム「DS」を提供する電脳交通に出資!
JR西日本(9021)は、クラウド型タクシー配車システムなどを提供する電脳交通に出資しています。電脳交通は3月25日、提供するタクシー配車システム「DS」が経済産業省の「IT導入補助金2024」対象ツールに認定されたことを発表。この認定により、タクシー会社が「DS」を導入する際に、最大450万円の補助金申請が可能となりました。なお、電脳交通にはJR西日本のほか、JR東日本(9020)、三菱商事(8058)、ENEOS(5020)なども出資しています。ちなみに電脳交通は現在、2025年夏のIPOを目指して準備を進めています。株価は、3月25日に3327円まで買われた後、下落が続いていますが、直近で75日移動平均線を割り込み、200日移動平均線に接近していることから、リバウンド狙いのタイミングと言えるでしょう。
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以上、今回は「日本版ライドシェア」の解禁により注目を集める「ライドシェア」関連銘柄を発掘しました。
なお、ライドシェアの代表的な企業であるUberの日本法人・Uber Japanは4月2日、タクシー会社によるライドシェアの導入支援を4月上旬から順次開始することを発表。世界の約70カ国で利用されているUberのアプリを、国内の約10社の提携タクシー会社に提供する計画です。
Uber以外でも、今後はライドシェアの運行システムを提供する企業とタクシー会社との提携などが増加してくると考えられます。日本でもライドシェア市場の急速な拡大が期待できるので、個人投資家としても目が離せないところでしょう。
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