「お宝銘柄」発掘術!

「ハイブリッド車(HV)」の関連銘柄を紹介! テスラの販
売台数が減少し、自動車メーカー各社も「EV(電気自動
車)⇒HV」にシフトする今、「帝人」「UBE」などに注目!

2024年4月11日公開(2024年4月11日更新)
村瀬 智一
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テスラの新車販売台数の約4年ぶりの低下や
大手レンタカーのテスラ車売却など「EV離れ」が顕著に

 米国の電気自動車(EV)大手のテスラ(TSLA)は4月3日、2024年1〜3月における世界の新車販売台数が前年同期比で8.5%減の38万6810台だったことを発表しました。世界での新車販売台数が前年同期比で減少するのは、2020年4〜6月以来、15期ぶり、およそ4年ぶりとなります。2024年通年の見通しについても「高額なEVを購入できる高所得層の需要が一巡し、2024年の販売台数の伸び率が著しく鈍化する」との予想を発表しています。

 また、米国のレンタカー大手のハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)は1月11日、レンタル向けEVを2万台売却し、通常のガソリン車などの購入に充てると発表しました。EVは補修費がガソリン車に比べて高価なほか、レンタカーとしての需要が伸びなかったことを理由として挙げています。

 さらに、こうしたテスラ離れの大きな要因となっているのが、再販価格の低下です。社用車やレンタカーなど企業が自動車を購入する場合、一般的には数年後に中古市場で売却することが前提となっているため、再販価格は購入価格と同じように重要な要素となります。しかし、テスラは新車販売価格の引き下げを繰り返したことで、中古車の価値が低下しています。そんな中古車価格の低下は、テスラ車だけではなくEV全体の問題となっています。

世界中でEVに対する支援策の停止が広がるなか、
自動車メーカーの投資も「ハイブリッド車」にシフト

 EV離れが進む一方、需要が高まっているのが、エンジン車とEVを組み合わせたハイブリッド車(HV)です。

 欧州連合(EU)は2022年7月、2035年までにガソリンなどで走るエンジン車の新車販売を禁止し、すべての新車を「ゼロエミッション(廃棄物の排出がゼロ)」とすることに合意し、EVシフトを急速に進めてきました。

 しかし、2017年から2023年までの6年間で、新車販売に占めるEVの比率は2017年の1.5%から2023年の14.6%と、年平均では約2.2ポイントの伸びにとどまっています。一方、ハイブリッド車の比率は2017年の2.8%から2023年に33.5%と、年平均で約5.1ポイントも伸びています。

 欧州でEVシフトを牽引してきたのが、EV購入時の補助金の給付や税制優遇など、各国で実施されているEV購入の支援策でした。しかし、2023年12月、欧州で最大のEV市場を持つドイツは、財政再建の流れを受けてEVへの補助金の支給を停止することを決定しました。

 また、米国のバイデン政権は2023年12月、安全保障上の懸念から、中国やロシアなどの資本が25%以上を占める企業やグループが生産した蓄電池が使われている場合、EVの税額控除の対象から除外することを決定しました。もし2024年11月に行われる米国の大統領選挙で「EV嫌い」として知られる共和党のトランプ氏が政権を奪い返せば、EV支援策が一気に縮小することも予想されます。

 このような状況のなか、自動車メーカー各社はEVへの投資の縮小を打ち出しています。

 米国のゼネラル・モーターズ(GM)は2023年10月、デトロイト郊外の工場におけるEVの生産開始を1年延期。同じく米国のフォード(F)は2024年4月、カナダ・オンタリオ州やアメリカ南部のテネシー州の工場で、新型のEVの生産を始める時期を延期する一方で、2030年までにハイブリッド車のラインナップを拡充する方針を発表しました。

 さらに、ドイツのフォルクスワーゲンは、中・東欧でのメガファクトリーの建設計画を延期し、ドイツ東部のザクセン州にある2つの工場でもEVを減産する計画を発表。同じくドイツのメルセデス・ベンツは、2030年までにすべての新車販売をEVにする計画を撤回しました。

 このように世界の自動車メーカーがEVからハイブリッド車へシフトしている状況は、日本企業にとって追い風と言えるでしょう。EVに関して日本は米国や中国に後れを取っていましたが、ハイブリッド車はトヨタ自動車(7203)が1997年に世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を発売するなど、日本企業が得意とする分野だからです。

 そこで今回は、EVへのシフトが急減速する一方で需要が高まっている「ハイブリッド車」の関連銘柄に注目しました。銘柄としては、あえて主要な自動車メーカーは除き、ハイブリッド車の評価システムや設備、関連ユニットなどを手掛けている企業をピックアップ。そのなかから、株価やチャート形状などのテクニカル面を考慮して選定しました。

【堀場製作所(6856)】
ハイブリッド車の開発を支えるソリューションを提供

 堀場製作所(6856)は、内燃機関や電動パワートレイン(駆動装置)の評価・試験システム、ハイブリッド車に関わる材料分析、設計・試作、評価サービスを提供。さらに、バッテリーの性能や劣化状態の評価装置、バッテリーエミュレーターをはじめとする各種評価装置などを手掛けています。株価は、3月27日に1万6180円まで買われた後、調整を見せ、一時は下値支持線として機能していた25日移動平均線を下回りました。しかし中期的に見ると、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、押し目狙いのスタンスになるでしょう。

⇒堀場製作所(6856)の最新の株価はこちら!

堀場製作所(6856)チャート/週足・1年堀場製作所(6856)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【UBE(4208)】
リチウムイオン電池の安全性に欠かせないセパレーターを提供

 UBE(4208)は、リチウムイオン電池に使われるセパレーターを手掛けています。セパレーターは電池内部で正極と負極を分け、電池が高温になった際には熱暴走を防いで安全に電池を停止させる重要な部材です。株価は、3月21日に2811円まで買われた後、調整しましたが、25日移動平均線が下値支持線として機能する形でリバウンドをして高値を更新。長期的には、2018年1月高値の3530円をターゲットとした上昇に期待したいところです。

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UBE(4208)チャート/月足・10年UBE(4208)チャート/月足・10年(出典:SBI証券公式サイト)
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【MARUWA(5344)】
ハイブリッド車に必須の高熱伝導基板では、世界シェアトップ

 MARUWA(5344)は、セラミック材料をはじめ、誘電体や磁性体、石英ガラスなどの材料を手掛ける企業です。EVやハイブリッド車など大量に熱が発生する電子部品に欠かせない部材である高熱伝導基板に関しては、世界シェアナンバー1を誇っています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いています。4月4日にマドを空けての上昇で3万7900円まで買われました。その後いったん落ち着いているので、25日移動平均線が接近してくるのを待ってリバウンドを狙いたいところです。。

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MARUWA(5344)チャート/日足・6カ月MARUWA(5344)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【帝人(3401)】
複合材料と金属材料を最適条件で組み合わせたバッテリーボックスを開発

 帝人(3401)は、自動車向け複合成形材料事業を世界的に展開。環境への配慮で車体重量の軽さや部品点数の少なさが重視されるなか、鉄よりも軽く、耐衝撃性や耐腐食性を備えた複合材料を手掛けています。2020年12月には、バッテリーの環境効率や安全性の向上に貢献することを目指し、複合材料と金属材料を最適条件で組み合わせたコンポジット製バッテリーボックスを開発しました。株価は、2月15日につけた安値1217円をボトムに強い上昇を見せており、2023年9月以来の水準を回復。2023年9月の高値1635円がターゲットとして意識されます。

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帝人(3401)チャート/週足・1年帝人(3401)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【平田機工(6258)】
モーターや駆動用インバーターなどの生産設備を展開

 平田機工(6258)は、EVのドライブユニットやバッテリーパッケージの組み立て、ハイブリッド車向けモーターや駆動用インバーターの組み立てなど、EVやハイブリッド車関連の生産設備を手掛けています。株価は、3月7日につけた高値8600円をピークに調整が続いていますが、下値支持線として意識される13週移動平均線まで調整し、さらに200日移動平均線にも接近していることから、リバウンド狙いのタイミングとなります。

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平田機工(6258)チャート/週足・1年平田機工(6258)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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【ユニバンス(7254)】
ハイブリッドトラック用のギヤボックスなどを提供

 ユニバンス(7254)は、駆動系ユニットの専門メーカーで、商品開発から機械加工、組み立てまでを一貫生産。モーターと一体構造で軽量・小型なハイブリッドトラック用ギヤボックスや、プラグインハイブリッドバス用ギヤボックスなどを手掛けています。株価は、3月26日につけた高値797円をピークに調整が続いていましたが、中長期的には上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いています。また、短期的にも25日移動平均線がしっかりと下値支持線として機能しているので、株価が調整したタイミングを狙うのがおすすめです。

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ユニバンス(7254)チャート/週足・1年ユニバンス(7254)チャート/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
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 以上、今回は「ハイブリッド車」関連銘柄を発掘しました。

 日本でも、2022年に中国のEV最大手のBYD(比亜迪)が参入するなどEVの低価格化が進んできましたが、充電設備が限られていることや航続距離への不安などがEVへの乗り換えを慎重にさせているようです。

 一方でハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電気モーターの2つの動力源を持ち、お互いの弱点を補い合っていることから、低燃費で充電インフラを気にする必要がないうえ、価格面でもEVより優位性があります。実際、2023年の日本における新車販売台数は、ハイブリッド車の割合がはじめて過半数を突破しました。

 今後、EVからハイブリッド車へのシフトが進む可能性が高いなか、「ハイブリッド車」は投資テーマとして非常に魅力的であることは間違いないでしょう。
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