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オープンAIの「チャットGPT」の人気化もあり、
文章や画像を自動生成する「生成AI」への投資が活発化
米国のマイクロソフト(MSFT)は1月23日、文章や画像を自動生成する人工知能(AI)の「チャットGPT(ChatGPT)」を手がけるオープンAIに対して、今後数年で数十億ドルを追加投資すると発表しました。このマイクロソフトの例に限らず、最近になって「生成AI」への投資が活発になっています。
生成AIは「Generative AI」とも呼ばれ、画像や文章、音声、さらにはプログラムコードや構造化データなど、さまざまなコンテンツを生成することのできるAIのことです。オランダの調査会社ディールームによると、2022年における「生成AI」関連企業への投資額は世界で21億ドルにものぼり、2020年に比べて10倍に急拡大したと日本経済新聞でも報じられています。
また、画像半導体(GPU)を手掛ける米・エヌビディア(NVDA)が2月22日に発表した2022年11月〜2023年1月の決算と2023年2月〜4月期の業績見通しは、市場の予想を上回り、発表翌日の23日には14%を超える上昇となりました。コロナ特需の反動などで減収減益となったものの、AIの演算に使う半導体の引き合いが強いとのことです。生成AIの開発や活用が急速に広がっていることで、AIに使われるエヌビディア製GPUの需要増加への期待につながったと考えられます。また、エヌビディアも、企業がAIを開発しやすくするためのコンピューティング環境を提供するサービスを始めると表明しています。
国内でも「pluszero」「Fusic」のIPOが注目されるなど、
「生成AI」関連銘柄への投資熱が高まる気配が!
一方、国内では、AIを中心にソリューションを提供するpluszero(5132)が、2022年10月28日のIPO(新規上場)初日から高い人気となりました。
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また、3月31日に東証グロースと福証Q-BoardにIPOが決まったFusic(フュージック: 5256)にも注目が集まっています。Fusicは九州大学発のシステム開発会社で、100%自社開発にこだわり、ディープラーニングや機械学習を使ったAIのモデル作成やそのモデルを活用したシステム構築・運用などのサービスを総合的に提供しています。
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このように生成AIへの投資が拡大するなか、一時、株式市場で盛り上がった「AIブーム」の再燃が意識されます。
そこで今回は「生成AI」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては、生成AIの開発に関わる企業のなかから、株価のトレンドを考慮して選定しました。また、生成AIの開発企業は未上場のベンチャーが多いことから、各ベンチャーに出資している企業についても関連銘柄の一角として取り上げました。
【ヘッドウォータース(4011)】
対話型AI「SyncLect(シンクレクト)」などを提供
ヘッドウォータース(4011)は自然言語処理、QAパターン、雑談、トークシナリオ生成から成る構成要素を組み合わせた対話型AI「SyncLect(シンクレクト)」などを提供しています。2月22日にはセキュア(4264)との協業を強化し、店舗DXの高度化や全国展開を支援するソリューションサービスを共同で提供すると発表しました。株価は、足元でストップ高を交えた強いトレンドが続いています。
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【PKSHA Technology(3993)】
FAQの自動作成サービス「Knowledge Maker」を開発
PKSHA Technology(3993)は、AIでメールやチャットデータ、マニュアル、製品カタログのデータなどからFAQを自動作成できるサービス「Knowledge Maker」を手掛けています。2022年7月からは、マイクロソフトのチャットアプリ「Teams」上でFAQを自動作成するサービスも提供しています。株価は、1月17日につけた安値1576円をボトムに順調なリバウンドを形成。切り上がる25日移動平均線を下値支持線とした上昇が続いており、足元では200日移動平均線を突破。長期的な上昇トレンドの継続が意識されます。
⇒PKSHA Technology(3993)の最新の株価はこちら!
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【HEROZ(4382)】
将棋AIや麻雀AIの開発で培った独自のコア技術が強み
HEROZ(4382)は将棋AIや麻雀AIの開発でも知られる企業で、“実戦的”なAIアルゴリズムを開発しています。将棋AIなどの開発で積み上げた機械学習や深層学習に関する独自のコア技術を持っており、それらを軸にエンタメや金融、建設など、幅広い業界で事業変革や新規事業創出を行っています。株価は、2022年12月28日の安値838円をボトムにリバウンドが継続。足元で25日・75日移動平均線のゴールデンクロスが出現するなど、テクニカル面での妙味も出てきました。
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【アエリア(3758)】
「アイドル自動生成AI」などを手掛ける「データグリッド」に出資
アエリア(3758)は2018年、「アイドル自動生成AI」などコンテンツを生成するクリエイティブAIの開発を手掛けるデータグリッドに出資しています。データグリッドの先端技術の粋を集めたAIプラットフォーム「シンセティックAI」は、ケースに応じて最適なAIモジュールの組み合わせとカスタマイズを行い、新たなサービスを構築します。株価は、1月6日につけた安値364円をボトムに、足元で25日移動平均線を下値支持線とした緩やかなリバウンドが継続。直近の強いリバウンドで一時は200日移動平均線を回復しており、さらなる上昇が期待できます。
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【SCREENホールディングス(7735)】
「カスタムAI」の開発・提供を行う、「Laboro.AI」に出資
SCREENホールディングス(7735)は、オーダーメイドによるAIソリューション「カスタムAI」の開発・提供を行うLaboro.AI(ラボロ・エーアイ)に出資しています。Laboro.AIのカスタムAIの導入・活用事例としては、アスリートの入力・記録データからパーソナライズされた献立を提案する味の素(2802)の「勝ち飯AI」、ユーザーの潜在情報などから目的地の候補を提案する大手自動車メーカー向けの「AIレコメンド」、沖電気工業(6703)の動画解析による「感情推定技術」などがあります。株価は、1月4日につけた安値8250円をボトムに切り上がる25日移動平均線を下値支持線とした強い上昇トレンドを形成。ひとまずは2022年1月の高値1万3320円までの上昇が期待されるところです。
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【ルネサスエレクトロニクス(6723)】
東工大発AIベンチャーの「SOINN」に出資
ルネサスエレクトロニクス(6723)は、東工大発AIベンチャー・SOINNに出資しています。SOINNが特許を有する機械学習アルゴリズムをベースとした「人工脳SOINN」は、あらかじめニューラルネットワークを人間が作成しなければならないディープラーニングとは違い、ニューラルネットワーク自体を自己増殖させ、自ら学習を始めるとのことです。ルネサスエレクトロニクスの株価を見ると、直近2年間は1100円~1550円辺りのレンジで推移していましたが、2023年に入ってそのレンジ上限を一気に突破。2008年以来となる2000円の大台回復が意識されます。
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以上、今回は「生成AI」関連銘柄を発掘しました。
なお、上記のほかには、以下のような企業が生成AIの開発企業へ出資を行っています。
■その他、AIベンチャーに出資する上場企業 | ||||||
出資企業 | 出資先のベンチャー企業 | 概要 | ||||
ジャフコグループ(8595) 日本郵政(6178) |
AVILEN(アヴィレン) | AI活用を総合支援 | ||||
日本碍子(5333) | Laboro.AI(ラボロ エーアイ) | カスタムAIの開発・提供 | ||||
ファナック(6954) 博報堂DYホールディングス(2433) 日立製作所(6501) みずほフィナンシャルグループ(8411) 三井物産(8031) |
Preferred Networks(プリファードネットワークス) | AIのディープラーニングを取り入れたIoTを提供 | ||||
SBIホールディングス(8473) | オルツ | AI議事録サービス「AI GIJIROKU」を手掛ける | ||||
三菱商事(8058) | SENSY | 感性解析AI技術を手掛ける |
AIは、これまで物流の合理化やコンテンツ監視作業の自動化など、インフラの裏で活用されるケースが主でした。しかし「チャットGPT」や画像生成ツールなどのコンテンツ生成サービスが登場したことで、個人や中小企業が直接AIを使用してさまざまな作業の自動化やプロセスのスピードアップなどが期待されます。
なお、2022年12月末に、ビッグデータ解析やAIアルゴリズム開発を手掛けるALBERTが、アクセンチュアの完全子会社となって上場廃止となりました。生成AIへの世界的な投資が加速するなか、今後、業界再編の動きが高まってくる可能性もあるなので、要注目です。
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