勝者・Rくんの就職活動
具体的なスケジュール
では、Rくんの就職活動を見てみよう。
前出の3つのポイントを押さえて動いているのがわかるだろう。
<9~10月>
9月に徹底的に自己分析(我究)を行った。
志望業界を明確にし、インターンにエントリーする企業を固める。同時に、選考に向けた自己PRや志望動機の準備を進めた。しっかりと考えた上で応募したため、インターン参加を希望する3社は、すべて通過した。
<11~2月>
5daysを3つの企業で経験した。インターンに参加して「この企業は自分と肌が合う」や「少しイメージと違った」など、社風やビジネスモデル、働く人の雰囲気など、インターネットでは調べられない「リアルな姿」をつかむことができた。
(失敗組は、この時点でまだインターン参加企業をどこにしようか選んでいるところ)
<2~3月>
インターン参加企業から「特別セミナー」に呼ばれる。インターンで評価の高かった学生だけの「少人数制の会」で、ここでしか聞けない企業の情報を知ることができた。同時並行でOBOG訪問を繰り返し、合計30人の先輩から話を聞かせてもらう。この頃には、OBOG訪問で志望動機や自己PRを話すと「きみ、とてもいいね」や「僕としては、きみと働きたいから人事にも伝えておくね」などとポジティブな評価が増える。
(失敗組は、ようやくインターン参加。「その他大勢」から抜けて出せずにいる)
<3~5月>
説明会と同時に、非公式の面接である「リクルーター」面談を行う。ここまでの準備から、志望動機や自己PRは自信を持って語れるようになっていた。「面接解禁日」前のため、正式な内定こそ出ていないものの、毎回手応えを感じながら日々を過ごしている。
(失敗組は、エントリーシートの提出などに追われている。志望業界も企業もまだ絞れていないため、とりあえず手当たり次第エントリーする)
<6月>
2017年卒の面接解禁日は6月1日。リクルーターからの評価が高かったため、志望していた企業3社から、面接が開始される6月1日に、面接1回で内定が出る。その中から1社を選び、就職活動を終了する。
(失敗組は、ここから1次、2次と何回か面接を行い、本格的な選考がスタートする。すでに優秀な人たちは内定を獲得しているため、狭き門になっている。あちこち受けているため、志望動機が詰め切れていない。それゆえ最終面接で落とされるケースも)
9月から動いているか。
人気企業内定の分かれ目
9月から動いているRくんの動き方を見ると意中の企業に内定したことがうなずけるのではないだろうか。早い段階に自己分析を終えて、その後は計画的に動いているのがわかる。 厳密には業界や企業ごとに選考フローやインターン参加の内定への影響度などは異なるが、現在の就活生の動き方として参考にしてほしい。
売り手市場と言っても、人気企業は狭き門。他の応募者よりも一歩先をいく必要がある。
インターンシップやOBOG訪問、リクルーターなど、アピールの場が増えた分、学生たちの就職活動は実質早期化しているとも言える。
そして、その「早期化」の波に乗った学生から結果を出している。自分の未来を切り開くためにも、少しでも早く自己分析を行い、方向性を決め、動き出してほしいと思う。
(次回は9月6日公開予定です)