大卒求人倍率5年連続上昇の中、2017年卒の就職活動はどうだったのか。
実は希望の内定を手にすることができず、やむなく就職留年の道を選ぶ学生も多く存在することがわかった。彼らの明暗を分けたものは何だったのだろうか?
大学生協8年連続第1位のベストセラー『絶対内定2018』シリーズの著者である熊谷智宏氏が、2017年卒の就活を振り返り、これから就活をはじめる学生たちが注意するべき点についてレクチャーする。(撮影/宇佐見利明)
大卒求人倍率5年連続上昇の
超売り手市場
ここ数年、新卒採用は就職活動をする学生が内定を得やすい「売り手市場」になっている。
リクルートの調べによると、2017卒の大卒求人倍率は1.74倍となっており、2012年から5年連続で上昇している。就職率が調査開始以来、過去最高の97.3%だった2016年卒以上の求人倍率であることを考えると、非常に良い状況だ。
(大卒求人倍率とは、民間企業への就職を希望する学生1人に対する、企業の求人状況を算出したもの)
売り手市場でも、内定が出ない?
これだけ聞くと、ほとんどの学生の就職活動がうまくいっているように聞こえるが、実際はそんなことはない。
たしかに、単純計算でいえば、1人あたり1社以上の内定が出ている。だが実際には、10社以上内定をもらう超優秀な学生も多く存在する。
となると当然、1社も内定がもらえなかった学生もいる。この数字の裏には、結果を出せた「成功組」と「失敗組」が隠れているのだ。
今回は、両者の差を生み出している原因について説明していきたい。