1の売上を10に!
6次産業化で「ついで買い」を誘う仕組み
今、各地に大規模な野菜直売所が増えています。
その数は日本一のコンビニチェーンに迫る約1万6000店以上!
ということで、以前と比べ、育てた野菜を売るのはさほど難しくない時代になりました。
こういった大型直売所の数ヵ所に野菜を置いて、生計を立てている農家も急増しています。
それでも私は、ダイレクトにつながり、レスポンスを聞ける「直売」をどんどん増やしていくべきだと思っています。
わが風来の耕地面積は、通常の野菜農家の10分の1以下。
つまり普通にやっていたら、通常農家の10分の1の売上になります。
1の売上を1.1とか1.2にするなら、今やっている方法の延長線上で行けるかもしれませんが、1の売上を10にしようと考えると、発想を根本的に変える必要があります。
果たしてそんなことは可能なのでしょうか?
でも、直売を起点にすると、十分可能です。
2013(平成25)年度における農業・食料関連産業の国内生産額は、97兆5777億円。
そのうち、1次産業は11兆3772億円、2次産業は34兆8996億円、3次産業は46兆1008億円。
つまり、基幹産業である1次産業の売上が最も低く、1割程度(10.5%)になります。
ということは(極端ですが)、農産物(1次産業)を加工(2次産業)して直接販売(3次産業)すれば(1次×2次×3次=6次産業)、売上を10倍にすることも十分可能であることがわかります。
風来で現在取り扱っている商品は、大きく分けると、野菜セットなどの「生鮮部門」と漬物、風来ママのお菓子などの「自家加工部門」、そして農家仲間や自然食品卸さんから卸してもらい販売している「仕入販売部門」の大きく3つに分けることができます。
少し前まで売上額は、「生鮮部門」400万円、「自家加工部門」400万円、「仕入販売部門」400万円の合計1200万円でした。
今も総額は変わっていませんが、「生鮮部門」450万円、「自家加工部門」450万円、「仕入販売部門」300万円で推移しています。
お客さんと直接つながることで価格競争に巻き込まれにくくなり、信頼関係ができあがると、たくさん買っていただけるようになります。
風来の場合、入口は野菜セットの方が多いのですが、せっかくならと漬物や風来ママのシフォンケーキ、農家仲間の商品や無添加調味料などの「ついで買い」でお客様当たりの単価がグッと伸びますし、お中元、お歳暮の時期などは贈り物としてセットでまとまった注文が入ります。
ゼロからひとつひとつ選ぶのはなかなか億劫なもの。
軸になるセットをこちらから提案することで、売上アップの可能性は広がります。