4つの「感」があり、4つの「力」となる

「危機感」「存在感」「達成感」「満足感」の4つの「感」は、リーダーがチームを動かす際の原動力です。4つの「感」をスタッフに与えることで、次の4つの「力」を引き出すことが可能となります。

 4つの力の1つ目は、「行動力」

 人が行動を起こす動機は、大きく2つに分けられます。自発的か、あるいは強制的か、です。

 私の若い頃、仕事というものは、上司から命令されて強制的にやらされるのが普通でした。しかし今考えてみれば、そんなのはおかしな話です。強制的にやらされても、仕事に対する前向きな意欲は生まれません。

 強制的にやらせるか、あるいは自発的に取り組んでもらうか、どちらが成果に結びつくかといえば、明らかに後者です。

 4つの「感」からは、「自発的な行動力」を引き出すことができます。

 次に、「貢献力」

 人が働く理由には、「キャリアアップしたいから」「お金が欲しいから」などいろいろありますが、「一緒に働きたい人がいるから」というものもあります。

 私が実際にそうでした。若手営業だった頃、気にくわないことがあり、ふてくされていた時期がありました。

 そんなときに当時の上司は、私を何とかして一人前にしようと、厳しいながらも愛情を持って指導してくれました。

 そのおかげで私は真面目に仕事に取り組むようになり、成長することができました。それで私はいつしか、「成果を出して、育ててくれた恩を上司に返そう」という気持ちになりました。

 このように、自分が信頼する人のために役に立とうとする力が「貢献力」です。英語で言うなら「フォロワーシップ」ですね。

チームとして目標をクリアするには、部下の貢献力が欠かせません。