このようにスタッフの力が確実に上がっていれば、右肩上がりの目標の達成も難しくはないのです。
なお当時のスタッフのなかには、社内での年間表彰を獲得するまでになった者が3人います。また、今ではリーダーとして店長・マネジャー職で部下を指導、育成している者もいます。
人の成長には限界がないのです。
リーダーがスタッフに与える4つの要素
私は、チームのリーダーがスタッフに示し与えるべきものとして、4つの「感」があると考えています。
それは、「危機感」「存在感」「達成感」「満足感」です。
まず「危機感」。
危機感といっても、危険や不安、恐怖などではありません。
恐怖感や不安感、プレッシャーを与えてスタッフをコントロールしようとするリーダーはいますが、それではスタッフが縮こまり、後ろ向きになってしまうので逆効果です。
私の考える危機感とは、ほどよい緊張感のようなもの。
私は元来、小心者で心配性なので、常に準備をしたり、何か新しいアクションを起こしたりしていないと落ち着きません。
そんな気持ちをスタッフたちとも共有することが、危機感を与えるということです。
危機感を与える方法としては、詳しくは今後、説明しますが、競合相手の「良いところ」をスタッフに見せるというものがあります。
なお、目標を使って危機感を与えるという方法はよくありません。「今のままじゃ、目標を達成できないぞ」などと脅してしまうと、スタッフが目標を嫌いになり、モチベーションを低下させてしまうからです。
次に与えるものは「存在感」。
働く人がどんなときに力を発揮するかというと、自分が認められているときです。
「このチームにとって自分は欠かせない存在だ」「自分がチームの主役だ」、そのように感じられるとき、人は自分の価値を自覚でき、元から持っている実力を十分に発揮して活躍できます。
逆に、「このチームにとって私はいらない人間だ」と感じると、実力を発揮するどころかやる気をなくしてしまい、さらには周囲の人の足を引っ張る落ちこぼれになってしまうのです。