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ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

デジタルマーケティングに関する
国際調査から何がわかるか

安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]
【第22回】 2016年10月31日
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 また、経済産業省が2010年(平成22年)に行った「消費者購買動向調査」によると、「商品・サービス選択時」に信頼する情報源として、1位のテレビは別として、コチコミやパンフレット、セールスマンなどを抜いて、2~5位までをインターネットが占めています(企業のオフィシャルホームページ、商品・サービスに関する価格比較サイト、商品・サービスに関する評判や情報のサイト、インターネット上の情報検索サイト)。少し古いので、今ではもっと顕著かもしれません。

同調査によると、

●消費の選択時に信頼できる情報源とするのは、口コミサイト(「価格比較サイト」「評判 や情報のサイト」「情報検索サイト」)が圧倒的。実際に消費した人の感想をみる、購入前に情報収集する消費形態が定着。かつて売れていたものでも、この消費者のスクリーニングに残れないものは売れなくなってきている。
●一方、購入後には、「企業のオフィシャルホームページ」「コールセンター」が重要な情報源となっている。これらの情報の社内開発部門へのフィードバックが企業の成長力を決めることがわかる。

消費者が求める情報
●得たい情報は、選択時には、「機能・仕様や内容」「価格や料金」「安全性」と いった情報が求められているが、購入後/利用中には「商品やサービスに関する 問い合わせ窓口」「アフターサービスの内容」「廃棄方法」についての関心が高い。

消費者が企業に求める情報は、製品の製造場所等、消費自体に直接関わる情報
●消費者は原産国、製造場所の表示や不祥事、リコール対応、わかりやすい表示など、直接自分たちの消費に関わる情報の開示を重視する一方で、株主対応、インターネット上のコミュニティサイト、芸術・スポーツ振興など消費の現場に直結しない 情報の開示は重視していない。

企業にとっての消費者情報の入手は限定的
●約9割の企業が、「消費者対応部門」から情報を入手。「販売員、セールスマンなどの 従業員に直接寄せられる情報」も約8割が入手。
●しかし、ネット上のサイトへの書き込みの確認や消費者調査といった積極的な情報収集は半分以下の企業の対応に留まっている。
●消費者対応部門や販売員、セールスマンから寄せられる情報は、記録として残されているものの、集計や分析などは十分活用されていない傾向。
●企業内で、ネット上の口コミサイト・ブログ情報は、一過性の情報として扱われるか、 一部の情報のみの記録にとどまっている傾向あり。
●消費者の情報は、「アフターサービス」「仕入れ、調達、購買」「製造・生産」部門へ は情報提供されていない企業が約2割と高く、未だ顧客情報が十分に活用されていない傾向あり。
●他方、顧客の要望に対応するアフターサービス部門や情報発信を行う広報・宣伝部門の情報活用度が高くない。
●さらに、研究開発、経営企画・経営戦略部門での、活用度が低いのは特筆すべき問題点。

と報告されています。

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安間 裕
[アバナード株式会社 代表取締役]

団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て2001年に再度アクセンチュアに入社、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に携わり2002年8月に同社代表取締役社長に就任。2009年アクセンチュア執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任。副社長としてフューチャーアーキテクトの経営に携わった後、2014年4月にアバナードに入社。1982年明治大学文学部文学科フランス文学専攻卒。1959年生まれ。

ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

IT業界のフロントランナーである筆者が、日本企業の経営やビジネスの最前線で働く人々に向けておくる連載第2弾。昨今のITで起きていることを、いわゆる「Buzz Word(はやり言葉)」としてではなくビジネスの言葉で解説。客観的データを基にした冷静な分析で、今日から仕事への意識を変えられるヒントを提供する。

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