リーダーにとって、結果を常に出してくれる部下は必要です。ただし、それが偏りすぎると、知らず知らずのうちに、不公平が生まれます。不公平な状況をつくらないのもまた、リーダーの務めです。新刊『トヨタの伝説のディーラーが教える絶対に目標達成するリーダーの仕事』から、全員に活躍してもらうチーム作りを紹介します。
チームがうまく回るには
目標を連続で達成するためには、チームワークが欠かせません。
チームワークを維持するためにリーダーが忘れてはいけないのは、公平を維持すること。つまり不公平な状態をつくらないことです。
人間ですから、どうしても好き嫌いがあります。あるのは仕方がないとしても、それを表に出してしまってはいけません。
一番やってはいけないのは、女性が多い職場である特定の女性社員だけを優遇すること。これはもう一発で女性陣からの印象が悪くなり、チームワークが乱れる原因になります。
女性が原因で足をすくわれるリーダーはよくいます。不倫などではありません。不公平に接して、女性に嫌われてしまったがために、チームの和が乱れるのです。
反対に女性を味方につければ、チームがうまく回るということはよくあります。私が48ヵ月連続で販売目標を達成したときも、非常に優秀なベテランの女性事務スタッフがいて、彼女に何度も助けられました。
不公平な状況をつくらないために
スタッフたちに不公平感を抱かせないためにリーダーが心がけるべきことは、「あいさつ」です。
朝出勤時の「おはよう」
成果をあげてもらったり、助けてもらったら、「ありがとう」
退社時の「お疲れさま」
これをきっちりと、誰に対しても同じように行うことです。ある人に対しては「おはよう!」と元気よく声をかけているのに、別の人にはいい加減に声をかけていたら、すぐに不公平に思われてしまいます。
もう一つ心がけたいのは、「右腕」をつくらないこと。
ビジネス書には、よく「リーダーは自分の右腕をつくれ」と書いてあります。
部下のなかでも一番仕事のできる人を「右腕」として、鍛えたり責任を与えたりして、リーダーをフォローしてもらう。優れた右腕をつくることが、チームをまとめるためには大切、という意見です。
これには私は反対です。
なぜなら右腕をつくってしまうと、他の人が「あの人だけえこひいきされている」と感じてしまうからです。1人の優秀な右腕をつくる代わりに、やる気のない9人をつくってしまう可能性があります。
また、右腕に依存したチームになってしまうことも問題です。もし、その右腕が突然退職したり、不調に陥ったりしたら、チームは大混乱を招いてしまうでしょう。
目標達成を連続で成し遂げるには、限られた人の力だけでは無理。チーム全員に活躍してもらう必要があります。
そのためには、普段から全員を平等に扱うことが大切になるのです。