やはり、中国人が真っ先に選ぶ留学先はアメリカなのだ。中国人の留学先の第2位はイギリス、続いてオーストラリア、カナダ、香港の順となっており、日本はその次だ。日本への留学生は約9万4000人と、アメリカの3分の1以下となっている。オーストラリアやカナダは移民しやすいので、留学後の移民先としても中国人に人気がある。

 では、アメリカに留学するのと比較して、日本留学はどう思われているのだろうか。そして、日本留学した中国人はなぜアメリカではなく、日本を選んだのだろうか?

優秀な中国人がアメリカを避けて
日本を選択するというケースも

 留学生たちの意見は、以前、東大の記事(「中国人エリートが東大留学する本当の理由」)や、早稲田の記事(「中国人エリートが慶應よりも圧倒的に早稲田を目指す理由」)に詳しく書いたので一部割愛するが、アメリカにも留学経験があり、現在、東大で中国人留学生の指導も行っているある教授はこう語る。

「自分が指導する中国人留学生に、アメリカ留学している中国人と大きな違いは感じません。アメリカだから一流、日本に来たからそうではない、とは必ずしもいえません。本人の適性や家庭環境などの問題もありますので。優秀な中国人がアメリカを避けて日本を選択する、というケースもたくさんあります」

 同教授によると、前述したように、アメリカに留学する中国人は、厳しい競争に巻き込まれることも覚悟の上で行くなど、強靭な精神力を持ち合わせていることが多いという。

「それに、日本の学費はアメリカに比べて安く、中国との距離が近いことがメリットです。近場の旅行を『安・近・短(安い、近い、日程が短い)』と表現することがありますが、日本留学は『安・安・安(安心、安全、学費が安い)』といえるでしょう」

「日本政府が留学生を積極的に受け入れる方針を取っていて、同じ漢字圏ということもあり、中国人は日本で成績上位者となりやすく、奨学金が取りやすい。しかも日本の学費はアメリカの私立大学の7~9分の1という安さ。それに、アルバイトも探しやすく、アメリカに比べれば、日本人は人種差別をしません。私が知る限り、中国人にあえて優しく対応してあげる教授も多いくらいです」

「さらに、経済的な理由だけでなく、距離的に近いことは親を安心させる好材料で、私の研究室にいる女子学生は親から『アメリカは遠すぎるし怖い。日本ならば私たちもすぐに会いに行けるし、日本は夜道も安全だから』と言われて留学を許可された、と聞きました」